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斜里岳を眺めながら通勤
いろんなタイミングに恵まれて、市街地の真ん中あたりのとても便利な場所で暮らすことができている。
この住まいは、初めて斜里に来て町の中を散歩していたときに見て「こんなところに住めたら最高だなあ」と思っていた、まさにその住居である。
10代の頃は自分の人生に対してとても悲観的だったけど、20代30代と年齢を重ねるにつれてなんだかとても運が良くなっていっている気がしてならない(調子に乗らず、これからも粛々と生きていこうと思っている)。
そんな自宅から職場までは、徒歩で約15~20分ほどの距離である。歩くのにちょうどよい距離だ。わたしの中では大きく3パターンの通勤ルートがあって、毎朝の気分によってどのルートにするかを決めている。
いずれにしても線路を越える必要があって、「ルートその2」は唯一歩道橋を渡って線路を越えるルート。そしてこの歩道橋からは、斜里岳とウナベツ岳がよく見える。駅からも近く、隠れたスポットでもなんでもないただの歩道橋なのだけど、わたしはここからの景色がとても気に入っている。
斜里には高い建物がないので町内のどこを歩いていても斜里岳かウナベツ岳が望める。ずっと暮らしている人はもしかすると見慣れてしまってなんとも思わないのかもしれなくて、わたしもいつかは見慣れてしまうのかもしれない。根を張るというのは、そういうものなのかもしれない。根を張るのは、まだ少し怖い。
でも、だからこそ、こうやって毎日いろんな道を歩きながら違う角度や違う高さから景色を眺めて、ああでもないこうでもないと感じる瞬間ひとつひとつを、今は大切にしようと思えるのかもしれない。
2021/4/2 8:51
朝の通勤時に知床斜里駅近くの歩道橋から見た斜里岳