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夕暮れの製糖工場

斜里に住みたいという気持ちに気付いてから、何とか潜りこめないものかと求人情報をチェックしたり賃貸アパートを探してみたり人に話を聞きに行ったりと、1年と少しのあいだ試行錯誤を続けていた。

そして見つけた第一次産業での住み込み短期アルバイト。これまでも経験してきた類の仕事で抵抗もなく、数ヶ月仮住まいをすることで本当にこの先も暮らしていけるのか?を見極めることもできる。

というわけで始めた製糖工場…ではなく、にんじん工場での仕事。過去に働いた農家で「もう一生分のにんじんを見たな」なんて思ったことがあるけれど、斜里のにんじんの量はそんなものではなかった。たぶん、人生5回分くらいのにんじんを見た気がする。

にんじん工場があるのは中斜里という周りに畑と工場が広がるエリア。視界を遮るようなものも、街灯も、何もない。日が少しずつ短くなりつつある秋、仕事が終わると外はすっかり暗くなってしまっている。
そんな中ときおりやってくる、仕事が早く終わる日。その日は帰るときに綺麗な夕焼け空を見ることができる。それがとても嬉しかったのを、よく覚えている。

今も仕事終わりに夕焼け空をぼんやり眺めてから帰るのが好きだ。
もう一度このときの感覚でこの景色を見てみたい、なんて思ってしまう。来シーズン、掛け持ちでまた働きに行かせてもらおうかな。



2020/10/14 16:26

当時働いていた職場の駐車場から見た夕暮れの製糖工場

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