日々を綴る(32)5月22~24日
5月22日
まだ薄暗い朝方、喉の痛みが強くなり目が覚める。枕元に置いてあったトローチに手を伸ばし口に放り込んだ直後に感じる違和感。味がしない。その代わりといってはなんだけれど、体調そのものは少し回復した気がする。
…などと喜んだのも束の間。元気だったのは午前だけで、午後は再び起き上がっているのが耐えがたいほどに倦怠感が戻ってきてしまった。何もせず、ひたすら眠って過ごす。熱に翻弄される1日。
5月23日
完全に味もにおいもわからなくなる。何を食べても感動できない。それ以外はすっかりよくなった気がするけれど、昨日のことがあるので油断はしない。おそるおそる、家の中のこともやってみる。
どうしても外の空気を吸いたくて、家の周囲を10分か15分だけ歩いた。どうせ誰ともすれ違ったりなんかしない。桜の木はいつの間にか鮮やかな緑の葉っぱをこしらえていて、名前を知らないままの花が今年も咲いていた。
夫が海に行こうかと言ってくれたけれど、夕方にはずいぶん雲が出てきて風も冷たくなってしまっていたのであきらめる。海のにおいも、わからない。
5月24日
いつもどおりの時間のアラームで目を覚ます。体がずいぶん軽くなった。実際に軽くなっていればいいのだけど、たぶんそんなに変わっていないのだろうな。今日は1日、家で仕事をしようと決める。
いくつかのことは考えて対応できるものの、いくつかのことはぼんやりしていてあまりうまく考えられない。そんな状態のままオンライン会議の時間を迎えてしまい、的外れな発言をしてしまった。反省。全員がオンラインであればフェアでやりやすいのに、メイン会場に複数名、一部がオンラインというのはやはりやりにくい。選択肢が増えることは喜ばしいことであると同時に悩ましいことでもある。
入れ替わるように、夫が寝込む。わたしの味覚と嗅覚は行方不明のままだ。