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オホーツク海に続く道と斜里岳に続く道
天に続く道、というのが斜里町の近年のおすすめスポットとしてよく挙げられている。
まるで空にのぼっていくかのような、まっすぐ続く道。その道の先が天まで続くように見える…という、知床や斜里町に興味のある方ならきっと耳にしたことがあるであろう絶景スポット。
季節によってはその道の先にちょうど夕陽が沈むタイミングがあるなど、確かに綺麗な景色が楽しめる。けど、ひねくれているわたしは、天に続く道に立ち寄ることはあっても、「まっすぐな道なんて北海道どこに行ってもあるし」とか身も蓋もないことを言いながら、親切に用意してある撮影台などには目もくれず北側に意識を向ける。
北側の道は、オホーツク海へまっしぐら。
こっちの方が断然いいじゃん、といつも思う。そう思っている人も絶対たくさんいるだろうから、自分が特別だとかそんなつもりはまったくないけれど。用意されたものをなぞるばかりじゃなく、いいと思うものくらい、自分で見つけたいし(それがすでに有名なものだったとしても)、写真を撮る場所くらい、自分で決めたい(もちろんその地のルールは守りながら)。
今は流氷が漂着しているから、ここは「流氷の海に続く道」になっているのだろう。
場所は変わって、わたしがなぜだか惹かれ続けている以久科原生花園。ここには少し広めの駐車場がある。
そこで南を向くと、向こう側に佇む斜里岳が見えるのだけど、これがまたいいのである。
駅前のセコマ駐車場から見る斜里岳
斜里神社の階段の上で見る斜里岳
跨線橋の上で見る斜里岳
麺通舘から見る斜里岳
来運神社に向かう途中で見る、遮るものが何もない斜里岳
どこから見ても斜里岳は本当に魅力的だ。でも、ここから見る斜里岳は、全貌こそ見えないものの、道の様子も含めて、なんだかすごくいい。
斜里に住んで1年半、何度もここを訪れて何度もこの景色を見ていたはずなのに、このとき初めて「斜里岳に続く道、だなあ」と思った。夕方の独特な空気の色のせいなのか、寒さのせいなのか、なんなのか。
何度も見ていて、特に変化なんてないように見える景気でも、その一瞬一瞬で感じることは微妙に違う。その微妙な違いを忘れたくなくて、わたしは日々シャッターを切り、拙くてもいいから言葉に残そうとしているのかもしれない。
2022/1/10 14:20
cafeこひきやに向かう直前に見た、オホーツク海に続く道
2022/1/3 15:54
大荒れの海を眺めたあとに心をつかまれた、斜里岳に続く道