【勝手な詩】 沈黙する緑の踊り子
白い息が踊る部屋の隅、
鉢植えの怪物がじっと見つめる。
葉の先端はスプーンの記憶、
泥の中には沈んだ太陽が潜む。
窓ガラスに触れる氷の指先、
「暖かいね」と語りかける緑の影。
だが、葉の裏側には密かに広がる冬、
雪の形をした音符が絡みついている。
あなたは何を見ているのか、
冷たい土を愛撫する光の鞭。
根っこは夢を見る、
水晶の靴を履いたモグラの行列を。
枯れた葉が一枚、
床に落ちて、落ちて、舞い上がる。
それはただの落葉ではない、
それは時間を巻き戻す天秤の羽。
観葉植物よ、冬を知る君、
その沈黙は叫びか、歌か、それとも踊りか。
ああ、答えないでくれ。
今、私は君の影になりたい。
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