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【AI三題噺】 「秋なのに」「ベッドイン」「みどり色」

秋の訪れを感じる風が、窓から吹き込んでくる。いつもならこの季節が来ると、心が落ち着く。だが、今年の秋は何かが違った。部屋の中にこもる、みどり色の光がその理由だ。

それは、夏の終わりに手に入れた古いランプから放たれていた。アンティークショップで偶然見つけ、なぜか惹かれて購入したものだが、どうもただのランプではないようだった。点灯すると、まるで夏が終わっていないかのように、部屋全体がみどり色に染まるのだ。

秋なのに、いつまでも夏の名残を感じる部屋。この季節に訪れる心地よい寂しさが、みどり色の光によって消し去られていく。そんな不思議な感覚に包まれたまま、私はベッドインすることにした。

ベッドに横たわり、目を閉じると、脳裏には夏の記憶がよみがえる。海辺でのんびりと過ごした日々、太陽の下で感じた熱気、そしてあの頃の自由な気持ち。みどり色の光が、その全てを映し出すかのように揺れていた。

しかし、その懐かしい記憶に浸っていると、ふと秋の冷たい空気が肌を刺す。窓の外では、秋風が枯葉を舞い上げている音が聞こえる。現実が、夢の中の夏を引き裂いていくようだった。

「秋なのに、まだ夏が終わっていないみたいだね…」

私はそうつぶやきながら、ベッドの中で身を縮めた。みどり色の光はやがて消え、部屋は秋本来の静寂に包まれた。夏と秋が交差するその瞬間、私は再び心を秋へと戻すことができた。

そして、その夜、深い眠りに落ちていく中で、私は確信した。どんなに夏が恋しくても、秋は必ず訪れ、心を新たな季節へと導いてくれるのだと。

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