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【勝手な詩】 欠けた完成

最後のピース、
君は何者だ?
机の上で踊る影、
欠けた月のひとかけらか、
それとも夢の断片か。

全てが整うその瞬間、
世界は息を止める。
指先でつまむ君の輪郭は、
消えそうでいて、永遠だ。

箱の底で隠れていたのか、
時空の罠に囚われていたのか。
いや、君は最初からいたのだろう、
見えない扉を守る門番として。

はめ込まれる瞬間、
すべてが崩れ、
すべてが完成する。
線が消え、形が溶け、
ピースたちは一つになる。

それは満ちることの喜び、
それは失うことの悲しみ。
君を手放すことで、
私は完成し、君は自由になる。

最後のピースよ、
君の不在こそが物語だった。
さあ、今こそ旅立とう、
次の未完成を探すために。

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