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【勝手な詩】 時計は冷蔵庫で眠る

ムカつくからよ、
だから靴下は片方だけにしたんだ。
左足は自由だと叫び、右足は社会の檻の中、
でも床は冷たい。

ムカつくからよ、
だから時計を冷蔵庫にしまったんだ。
時間が凍れば、昨日の怒りもカチコチになって
アイスピックで削れるかもしれない。

ムカつくからよ、
だからバナナの皮に名前を書いたんだ。
踏んだやつがその名前を叫ぶとき、
それは呪いなのか、それとも新しい自己紹介なのか。

ムカつくからよ、
だから月をスープにして飲んだんだ。
塩辛い夜の味が喉を通るたび、
胸の中の嵐が笑い出す。

ムカつくからよ、
だから言葉を裏返して並べたんだ。
「理由のない怒り」
いや違う、
「怒りのない理由」
いや違う、
「よ、らかくつかム」。

それでも世界は知らんぷりして回るから、
また何かを逆さにしてやるのさ。

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テツ【勝手な事務所】
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