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【勝手な詩】 暇の靴が踊る間に

適切な暇とは、
猫が星を数え、
靴下が引き出しで踊る瞬間。
それは無意識の庭、
木々の葉が夢を囁く静かな時間。

不適切な暇とは、
時計があなたを睨む時、
空っぽの皿が咎めるように響く音、
蛇口が水滴の詩を書いても、
読めないと嘆く無駄な夜。

適切な暇は、
空の中で傘を開ける愚かさの甘さ。
バス停に立つあなたの影が、
風に解けて虹を作る余白。

不適切な暇は、
思考が硬貨のように転がる音。
使われない机の上の紙、
書きかけの言葉たちが、
「なぜ私たちは捨てられた?」と叫ぶ。

暇は暇であり、
適切か不適切かは、
ピエロの靴が答えを知る。
だがその靴は、踊りながら逃げる。

時間が問うたのだ、
君はどちらを選ぶ?
適切な暇の緑の風景か、
不適切な暇の灰色の迷路か。

どちらにせよ、
暇は君を待っている。

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