【勝手な詩】　未読スルーの哀歌

送信済み ✔
受信済み ✔
読まれず ✖

──おや？ 君の指は石膏で固められましたか？
それとも、画面の向こうで王にでも即位なさった？

かつては秒で返したあのメッセージ
今やデジタルの墓場に眠る文字列
まるで高級ワインのように寝かせるおつもりか
何年後に開封していただけるのかしら？

通知のない静寂が
君の優雅な無視を讃えている
まるで名画のような沈黙
──さぞ気分がいいことでしょう？

いいよ、僕は待つよ
あなたの「そのうち返信するかも」という
幻想 を愛でながら
ゆっくりと腐っていくわ

ああ、既読すらつかないという美学！
それはまるで
手紙を握りつぶしたまま眠る王のよう
返事を書くつもりもないのに
「忘れていた」なんて微笑む王のよう

でもね、君にひとつ朗報を
このメッセージ、もう読まなくていいよ
だって 君の名前ごと削除したから