【勝手な詩】 絵具まみれの王様へ
あなたの筆は踊るけれど、
踊り方を知らない靴みたいだ。
キャンバスの上で息絶えた色たちは、
あなたに救いを求めて泣いている。
遠近法? それは牢獄の鉄格子。
構図? それは退屈の秩序。
あなたのパレットは革命を知らず、
昨日の太陽を今日も塗りたくる。
「これが芸術だ」と吠えたあなたの口から、
乾いた絵具が剥がれ落ちた。
それを見たカラスが笑って言った、
「王様は裸だ、だがペンキまみれだ」
それでもあなたは描き続ける。
魂のない目をした肖像画の中に、
自分の顔を忍ばせながら。
筆を置け、偉大なる凡庸の王よ。
あなたの絵は、沈黙よりも退屈なのだから。
いいなと思ったら応援しよう!
サポートしていただけたら、とてもありがたいです。