アセマネ業界の業界研究~書籍編①アセットマネジメントの世界
23卒(笑)の後藤です。読むに値するものかどうかは分からないのですが、卒論書き終わって時間が少しできたので、アセマネ業界の業界研究で得たものを書き連ねていくことにします。今回は第一弾として読んだ本の概要をシェアできたらなという風に思いました。今回紹介する書籍は「アセットマネジメントの世界」という本です。その中でも本編では「資産運用の機能と社会的役割」について記すことにします。(これ読んで興味持った人は自分で本を買いましょう(笑))
~目次~
資産運用の機能と社会的な役割
・アセットマネジメントとは?←今回はこっちのみ
・市場の歴史について
アセットマネジメントとは?
資産運用業を英語にするとアセットマネジメントといいますが、ここではアセットマネジメントとは何なのか?そして日本においてなぜ必要性が高まっているのか?について記述しています。
資産運用業とは「金融サービスの受益者に代わって、金融商品の運用を行う業務」と定義できます。もっとわかりやすく言うと、人間が金融商品に投資して、投資リターンを得る。企業側は、投資家に株式や債券に投資してもらうことで、資金調達し、企業価値の貢献に努める。企業価値が向上することで、投資家はリターンを得られる。ここの投資家と企業の橋渡しを行うのが資産運用業と考えています。(厳密には少し違うが)
資産運用会社には、株式や債券のような伝統的資産に投資している会社とオルタナティブなどの非伝統的資産に投資している会社に大別されますが、本記事では前者について記述しています。
日本での1990年代のバブル崩壊やアメリカのITバブルの崩壊など様々な経済危機が起こりました。これらの金融危機までは高いリターンを求めて、より新しいタイプの運用会社の成長が目立っていましたが、この種の運用会社は総じて経営が厳しくなりました。収益が悪化したことに加え、機関投資家が資金を引き揚げたためです。こういった会社は、投資手法を企業秘密として保持し、開示していないことが多かったみたいです。しかし、投資家側からすると「わからないものには手を出さない」という原則があり、収益が悪化したとたん、投資家から避けられるようになりました。一方で、株や債券などの伝統的資産は、価格が公表されている金融商品を投資対象とするため、運用成果がより明らかであることから、再び評価されるようになりました。
運用会社の社会的な位置づけは「資本の効率的な配分と運用の担い手」であります。企業で資金を生み出し、家計で消費が行われますが、一部のお金は、貯蓄(預金)と投資に回されると思います。預金を行うことで、銀行を通じて企業にお金が貸し出されます(企業への投資にもなる)が、投資による自身の資産の増加という観点では、必ずしも預金が良いとは言えないと思います。これは、銀行の定期預金の年率が非常に低いことに起因しており、資産を倍に増やすには数百年かかるでしょう。また、少子高齢化による年金の先行きへの不透明感から、個人の自助努力と自己責任で必要なお金を準備する必要が出てきています。ゆえに、資本市場において多少のリスクがあっても将来高いリターンが見込まれる株や債券を通じて、個人資産を増やしていくことは需要が高いと言えます。現状、日本の預金率は約50%で、他国に比べて、預金割合が非常に高くなっています。政府が掲げるように「貯蓄」から「投資」に回すことができるポテンシャルは非常に高いと考えます。その役割を担うのが資産運用会社といえそうです。また、資産運用は、企業を育てる側面もあります。資産運用会社が、良い企業の株式などを含んだ金融商品を組み、顧客に販売することで、投資家から企業へのお金の流れを作ります。また、投資対象となっている企業価値が高まり、株価が上昇して投資家が利益を得ることができます。また、投資対象の企業で働く社員が、企業業績の好調の影響でより高い給料をもらい、市民生活を送り、購買先が利益を出し、税金を払い…と日本の国も潤うわけです。
資産運用業を行うにあたり「受託者責任」という言葉を一回は聞いたことがあるかもしれません。受託者責任を構成する要素として、「忠実義務」と「注意義務」があります。「忠実義務」とは、仕事の中では、受益者(投資家)の利益のみを考えなければいけなく、自己の利益と衝突することは避ける必要があります。「注意義務」とは職務遂行に際して、専門家としての能力を生かし、思慮深い行動をとる必要があるというものです。これらの観点から、運用会社自身の経営には、厳しい自己規律が求められることになります。
資産運用業の知識は、今後のビジネスキャリアに役立つため、社会的意義のあるこの仕事でぜひ活躍していけたらなと思います。