見出し画像

拝みたくなった瞬間

『ショット・オブ・ラブ』。ボブ・ディランのキリスト教3部作の3作目。1981年発表。

『レニー・ブルース』など、あ、ディランっぽいなという楽曲も収録されていて、前の2作品に比べると、熱烈な宗教賛美感は薄くなっている。ただ全体的にはサウンドも歌詞もシンプル過ぎて、ディラン聴きとしては物足りない。

そんななかでも6曲目『ザ・グルームズ・スティル・ウエイティング・アット・ジ・オルター』とアルバム・ラストの『エヴリィ・グレイン・オブ・サンド』が心に残った。前者は81年発表時にはなぜかアルバム未収録だった、激しく熱いブルース・ロック。ディランのエモーショナルなヴォーカルにグッと来る。

後者『エヴリィ・グレイン〜』は、もともとはナナ・スクリームに提供された楽曲。ディランらしい美しいメロディ。そしてなんとも優しい響きのハーモニカ!去年のディラン来日ツアーでは、毎回、この曲がラストで歌われていた。曲の最後にハーモニカが登場した瞬間、思わず手を合わせて拝みたくなったのを思い出す笑。

いいなと思ったら応援しよう!