ヨーロッパでやりたい事
Viva Technology 2023へ参戦
ここ数年、仕事でも個人的にもとてもお世話になっている方から「鳥山さんもビバテックいらっしゃいますか?」とお誘いいただいた事をきっかけに6月のヨーロッパ行きが決まりました。
同じ方に、2022年もシリコンバレーのスタートアップが集まる大きなイベントにもお誘いいただいて、一人小さなカメラを握りしめて3日間という弾丸スケジュールで参戦して来たのですが、この渡米でグローバルの多様性や規模を目の当たりにして「人生の目覚ましビンタを喰らった」というレベルの衝撃を経験させていただきました。この方は僕の中では勝手に「メンター」だと感じている尊敬する方でもあります。(いつも本当にありがとうございます!)
Viva Technologyはフランスで開催されるイベントで、世界中のテック企業の起業家やインキュベーター、投資家、そしてフランスをはじめとする政府関係者の方も集まって来ます。
「グローバルで生きていく」と腹を括った僕にとっては100%参加させていただくべく機会だと感じ「絶対行かせてください」と即答しました。(即答してしまった事は妻には言っていなかったので、この記事を見られたら素直に謝って怒られます。ごめんなさい!)
Viva Technology(通称ビバテック)の公式WEBサイト
過去の開催記録を見てみると、ゲストの皆さんは知っているサービスの起業家さんや著名人ばかりで溢れていて、まるで音楽フェスのラインナップを見る時と同じ様に大興奮。2023年5月のG7広島サミットでも話題になったゼレンスキー大統領も来られていたとか。
イギリス(Manchester)で会社立ち上げ
これまで2度訪問した事があるイングランド北西部に位置するManchester。
【過去Manchesterへ行った時の写真を探して載せます!】
過去、イギリスの色々な街へ訪問した事が有ったのですが、Manchesterでの人との出会いや経験が「着飾らなくとも、最も生身の自分で居させていただく事が出来た街」と感じていて、忘れてはいけない、忘れたくない大切な場所としてずっと心の奥底で在り続けている街です。
僕はこの感覚を授けてくれたManchesterに対して胸騒ぎが止まらなくて「次は自身がここで何かを始めて、恩返しさせていただきたい」と思い、まずは会社を登記する事を一つのゴールに設定しました。
※ただ、色々調べていくと敷居がめちゃくちゃ高い。ビザやお金のハードルが…後日これはこれで進捗のご報告も含めて記事を書いてみようと思います。
今、改めてグローバルに拘る理由
自身は父親が韓国人、母親が日本人という所謂ハーフの子として産まれました。
とは言っても、父親も日本国籍に帰化していましたし、大阪の湾岸地域である港区でずっと普通に暮らして来たので、血はハーフだけど、思考も丸っと日本人として育ちました。
ただ、後から振り返ると、必ずキムチ、ナムル、チャンジャといった韓国料理が家の冷蔵庫に常備されていた事(韓国海苔は本当に常時1000枚ぐらい有ったと思う)、父方の親戚の集まり時には喧嘩口調(に感じるレベル)でキャラも内容も濃い会話が繰り広げられていた事、祖父母の法事になると日本の仏教式と韓国の儒教式のミックスと言った父親考案のオリジナルスタイルで開催されている事など、確かに純粋な日本人では有り得ない日常も有ったのかも知れないなぁと思います。
韓国出身の祖母に関しては、めちゃくちゃパワフルで誰も話を聞いていなくともマシンガントークを繰り広げていました。一番印象に残っているのは「北◯鮮側の民間人は本当にかわいそうや!ばぁちゃんが若かったら直接◯◯◯を◯◯しに行ってしもたるのに!」と自主規制が掛かるレベルの強烈な言葉を使って、ずっと独特な自論を撒き散らしていました。足を骨折しても病院へ行かず自力で治してしまう最強のおばあちゃんでした。
昔から競馬狂でもあり馬主でもあった祖父母は、僕が幼少期の頃からずっと阪神競馬場や難波の馬券売り場へ連れて行ってくれていました。(引きずり回されていたと言った方が正しいかも。笑)これも今となっては良い思い出です。
そんなバックグラウンドを歩みながら、大学生の時に休学してヨーロッパへ数ヶ月「遊学」へ行く機会が有りました。
何故わざわざ「遊学」と呼んでいるかを説明すると、向こうでは学校に入った訳ではなく、お金を貯めてただひたすら自分の好きな音楽や芸術といった文化に触れ倒す事を目的に行った為です。要するに遊びを全力でやりに行ったんです。
【当時の写真が実家に有りますので、見つけたら貼ります。】
一人で知り合いも誰も居ない海外へ長期間行く事は生まれて初めての事でした。
初日イギリスへ入国する際、予約している宿へ電話を入れると「宿泊者が延泊していっぱいだから今日は泊まれなくなっちゃいました!」と当日に言われてしまいました。スマホも無かった時代なので地図とガイドブックを頼りに宿泊施設が集まっていると噂のVictoria駅に辿り着いたのですが、そこで飛び込みで入ったインド人経営者の宿で思い切りぼったくられてしまい、序盤でかなり心を打ちのめされました。丸一日部屋に篭って、大好きなイギリスのアーティストの音楽をイヤホンで爆音で聴いて泣いたのを鮮明に憶えています。「こんなはずじゃ無かった」って。
そしてようやくイギリスに到着して3日目にTooting beck駅の近くにある韓国人のご夫婦が経営するB&Bにチェックインする事が出来ました。(素泊まりプランの長期割引みたいなので凄く安くて、記憶が曖昧なのですが確か1泊15£前後ぐらいだった気がします。部屋は鍵無し屋根裏の3人相部屋でした。)
【こちらも写真見つけたら貼りますね。】
ある日、同じ宿に泊まっていた方から、ヨーロッパやイギリス旅行を安く回るコツの様なものを教わりました。
まだ日本には格安航空会社や格安バス会社という概念が無かったのでは?という時代に、Ryanair(ライアンエア)という超が付くレベルの激安航空会社や、megabus(メガバス)というこれまた激安長距離バス会社の事等を教わりました。
「お金は無いけどヨーロッパの色んな国へ行けるのか!行きたい!行こう!」と、回り方を教わったその日にスペインやポルトガル、アイルランド、スコットランドへいくチケットを購入しました。
衝撃が凄過ぎて今でも鮮明に憶えているのですが、Ryanairでは0.01£で航空券を取れちゃったりする時も有りました。税金は別とは言っても日本円で5,000円ぐらいで飛行機乗れちゃうんです。どうやって経営しているんだろうか?
ただ、毎回Ryanairが着陸する時に乗客から拍手喝采が巻き起こるのですが、それはそれはかなりシュールな光景でした。笑
megabusは時期によっては1£でイギリスのどこへでも行くことが出来るバス会社(日本の大阪~東京の格安夜行バスみたいなもの)でした。これも本当にどうやって成り立っているんだろうか?乗り心地は全然良かったです。流石にRyanairの様に到着した際の拍手喝采は無かったですが。
そんな激安ツアーノウハウを取得した僕は気軽に国境跨ぎをしていく事になるのですが、その時に初めて「国とは、国籍とは一体何なんだろう?」という目線になっていく自身が居ました。
国境を跨ぐだけで、言葉が変わり、食べ物が変わり、建物も変わり、公園の造りも変わり、人種も変わり…その瞬間を何度か体感していく内に、自身のルーツとか、ハーフとしての在り方とか、そう言ったものが深く思考出来る様に…と言うより感じる事が出来る様になりました。
その時に初めて日本さえも客観的に見え始めて来て。結局、国や国籍なんてものは、個人のルーツを無理矢理紐付けに行くものではない、気にしなくても良い偶然の環境であって、もっと乱暴な言い方をすると「どうでも良いんだ。みんな同じただの人間なんだ。」という思考になって肩の力が抜ける自身がそこに居ました。
今思うと、ハーフという自身の立場に対して「中途半端な存在」という思考を心のどこかで捉えてネガティブになってしまっていたのかも知れません。
「誰もが世界のどこに所属していても良いし、それが人として自然な姿」と、胸を張って言える様な人になりたいなぁと思える様になりました。
「郷」というファーストネーム
【小さい頃の写真も探して来てこちらにまた貼ります】
両親に付けていただいた大切な名前です。
この「郷(Go)」という名前には「ルーツをいつまでも大切に生きていく事が出来る様に」という両親の思いが懸けられています。僕は歳を重ねる毎に、段々とこの名前が好きになっていっています。
自身の存在意義に気が付くまで、時間は多く掛かり過ぎてしまっているのかも知れませんが「グローバルに生きていく」という現在の揺るぎ無い思いは、そんな「迷って、考えて、信じて、そして真っ直ぐに歩んで来たルーツを昇華する事」にもきっと繋がっていくのでは無いかなぁと、そう信じる事が出来ています。
だからこそ今、鳥山郷はやらねばならないんだと。
これからの人生、まだまだ何が起こるかわかりませんが、どんな風に創られていくのかを自身がいつでも一番楽しみに感じながら生きていきたいです。
ヨーロッパへ行くまで、あと12日。
英語の勉強もまだまだもっと頑張らないとー!汗