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鹿児島・枕崎のかつお節——300年以上続く伝統と未来への挑戦

枕崎に根付くかつお節製造の歴史
鹿児島県枕崎市は、日本一のかつお節生産量を誇る町。かつお節の製造技術は、約300年前に紀州から伝わり、明治時代には「カビ付け」という工程が加わりました。かつお節と昆布は、日本料理に欠かせない基本食材として昔から親しまれています。現代では、料理研究家たちが新たな調理法を生み出しながら、かつお節の可能性を広げています。

4ヶ月かけて完成する最高級の「本枯節」
最高級のかつお節「本枯節(ほんかれぶし)」。枕崎でかつお節製造を続ける揚村鰹節商店では、その製造に約4ヶ月の時間を要します。

その工程は以下のように進みます。

生切り:市場で競り落とされた新鮮なかつおを適切な大きさに切り分ける。
煮熟(にじゅく):かつおを煮てタンパク質を凝固させ、旨味を閉じ込める。
骨抜き・整形:骨を丁寧に取り除き、包丁で形を整える。
修整:かつおの身を使って傷を埋め、美しく仕上げる。
急造庫:薪を焚き、煙でいぶして20日間ほどかけて水分を抜く
荒節仕上げ:水分を抜いてできた荒節の表面を専用のグラインダーで削り、なめらかにする。
カビ付けと天日干し:倉庫でカビを付け、天日干しを行う。この工程を3〜4回繰り返すことで、風味豊かで熟成された本枯節が完成する。

家族経営の伝統と未来への展望
揚村鰹節商店は、昭和5年(1930年)に創業。初代がかつお船の会計担当から、大きなかつお節屋の事業を引き受けて独立し、かつお節製造を開始しました。現在は4代目が継承し、次の世代へと技術を引き継いでいます。かつお節工場の数は減少しつつありますが、枕崎の生産量は依然として日本一。特に高級品である本枯節の製造を通じ、枕崎を世界に誇る「かつお節の町」として発展させることを目指しています。

「枕崎のかつお節を通じて、世界中の人々にこの伝統の味を届けたい。」そんな想いを胸に、職人たちは今日も手間ひまを惜しまず、最高のかつお節を作り続けています。

そんな揚村さんにフィーチャーした動画はこちらからご覧いただけます。


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