中国で急成長!ラッキンコーヒーのアプリを大解剖!(全画面遷移図付き)
* 期間限定で無料にしています。後から有料に変更する可能性があります。
ラッキンコーヒーとは
ラッキンコーヒーはコーヒーチェーンを展開する中国のスタートアップです。2017年に創業され、その翌年2018年には店舗数が2,000店舗を突破し、わずか2年で上場申請を行うまでに成長しました。
上場申請の内容にあるMOMENTには
・中国で2番目に大きい(首位はスターバックス)
・店舗の総数は2,370店
・取引したユーザーの総数は1680万人以上
・販売した商品の総数は約9000万個
とあります。
創業から2年とは思えない規模感ですね。中国の人口、そして電子決済やデリバリーの浸透がこの成長を後押ししたように感じます。
ラッキンコーヒーのキャッシュフローについてはStockClipさんのまとめが非常に参考になるのでそちらをご覧ください。(回し者ではありません。ただのファンです。)
StockClipさんが書かれていなかった部分で面白かったところをあげるとすれば、リテンション率のグラフです。ラッキンコーヒーは無料クーポンで新規顧客を集めていたようなので、ほとんど2ヶ月目には低下していますね。
綺麗な谷になっている箇所がありますが、これは中国のお正月(2月初旬)が影響しているようです。店舗のほとんどがピックアップ専用なので、現在は通勤前や仕事休憩などオフィスビルのユーザーを中心に利用されているのでしょうか。(休日の利用率も見てみたい。)
ラッキンコーヒーの魅力
一言でいえば、注文はアプリからのみ。この仕組みがかなりイノベーティブです。
店舗で待つ必要がない
まず、アプリから事前に注文することが出来るので店舗で待つ必要がないです。接客が基本的に必要ないので、店舗にいる人数を極力抑えることができます。
全ユーザーの特徴や購買情報(注文時間や場所も)をデータ化できる
そしてこれが一番重要なのですが、購入をアプリに絞ることで全ユーザーの特徴や購買情報(注文時間や場所も)をデータ化することができています。
このデータを活用すれば、ユーザーのニーズに合った商品を提供できるようになり、使えば使うほど便利になるアプリに進化していきます。
このデータはユーザーだけでなく店鋪にもメリットがあります。例えば、これまでのデータからその日の販売数を予測できるので、在庫管理を全て自動化することができるようになるのではないでしょうか。
このようにビッグデータとAIを組み合わせた店鋪経営モデルがラッキンコーヒー の革新であり、魅力であるなと思います。
ラッキンコーヒーのアプリを大解剖
魅力の部分でもお伝えしたように、アプリはラッキンコーヒーにとって重要な核です。ここからは本題であるラッキンコーヒーのUXを紐解いていきたいと思います。
まずは従来の店舗で行なっていたメインアクションを整理してみました。
1. 近くのお店を探す
2. 商品を選ぶ
3. 商品を購入する
4. 商品を受け取る
かなりシンプルですが、こんな感じでしょうか。これをラッキンコーヒーのアプリに置き換えてみます。
1. 近くのお店を探す
ホームタブにある「XXX店」となっているのが現在地から近いお店です。タップすると他のお店を選択することができます。
2. 商品を選ぶ
メニュータブから商品を選ぶことができます(トップページにあったORDER NOWを押してもこの画面に遷移します)。追加ボタンをタップするとサイズや温度など詳細に決めることができます。
3. 商品を購入する
カートタブから購入画面に遷移することができます。
購入時に受け取り時刻が表示されます。ここでコーヒーチケット(商品を買うことができる専用のチケット)やクーポンを使うことができます。
4. 商品を受け取る
受け取りの時間になったら店舗に行き、あとはQRコードをピッとかざすと商品を受け取ることができます。
こうしてみると基本的にメインとなるアクションは全てタブで表現されていますね。他のタブも気になるかと思うのでご紹介しておきます。
注文タブ
過去の注文から再注文することができます。現在の注文状況を確認することもできます。
マイページタブ
自分のプロフィールを編集したり、コーヒーチケットやクーポンを確認したりすることができます。
続いてメインとなるアクションやタブ以外で注目した機能もご紹介します。
コーヒーを送る
コーヒーチケットを友だちに送る事ができます。記念日用に豪華な装飾付きで送れたり、レッドポケット(WeChatの機能でお年玉のようなもの)として送る事もできます。
ちなみに、この画面には様々な画面から遷移できるようになっています。このあたりの機能は新規ユーザーを獲得していく上で非常に大きい武器になっているので、タッチポイントを多くしたのでしょうか。
エンタープライズアカウント
唯一体験できなかった機能なので詳細は不明ですが、toB向けに福利厚生の一つとして提供しているのでしょうか(詳しい方がいれば教えてください)。
ラッキンコーヒーのアプリ全画面遷移図
最後に全画面遷移図を作成してみました。
まとめ
各画面を眺めていると、ラッキンコーヒーのアプリは従来店舗で行なっていたメインとなる体験を中心に、友人などへのシェアに特化した設計になっていることが分かります。
ラッキンコーヒーの戦略からドリルダウンして考えれば、きちんとそれが出来るアプリになっているという感じですね。
最後になりますが、調べれば調べるほどこれからのラッキンコーヒーが楽しみになりました。スターバックスはアリババと連携しデリバリーの強化や更に面白いコラボレーションを考えているようなので、どう戦っていくか今後も注目したいと思います。
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