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Library of the Year 2024 最終選考会記録

本日、図書館総合展内で開催された「Library of the Year 2024」選考会に審査員として参加しました。
まずはじめに、沖縄県立図書館 “Finding Okinawan Roots” Projectさん、大賞とオーディエンス賞をW受賞おめでとうございます!
そのほか皆さまおめでとうございます。みなさまとても素晴らしいプロジェクトばかりでした。勉強になりました。

改めてですが、私の超稚拙な感想「おもしろかった、ヨイところばっかりだったよ...」とともに、務めさせて頂いた審査員としての基準を示しておこうと思いました。(以前某岡本さんもblog等で振り返りをされていましたが、私がやるのは完全に疲弊した脳を活性化させるためのメモです)

1)今回の審査をするにあたって、どういう基準で優秀賞4機関の取り組みを評価しようとしているのか。
上記についての私の考え方を示します。
まず、審査へ向けてのコンセプト(スローガン的なもの)です。
「市民として、実践者として
“ここにいって一緒に未来を考えてみたい、考えさせて頂きたい”」
ー私自身が公共的な場づくりや環境設定について7カ年試行錯誤しているなかで、まだ自分も何かを成し得た立場ではないところから、「ここの人と対話したらもっと明るい未来が描けるのではないか」と思えるような事業体をヨイ!と言いたい。

以下、そのスローガンを元にした、評価基準です。
(登壇時ここの説明が抜けましたね)
4つの基準を設定、それぞれ5点満点、1-5点で評価、20点満点としました。点数の高い事業体から1-4位を振っております。

・私の専門1:保育、幼児教育、児童の社会活動促進
「未来を見据えているか」

・私の専門2:地域福祉、コミュニティ
「社会的資源、拠り所としての意義価値を持っているか」

・私の専門3:起業家且つ越境的な機能
「課題解決能力、巻き込み力があるか」

・私の専門4:旧来からの文化事業、おもしろさ
「文化資本として蓄積が可能か」
*********************

2)その評価基準を今回の4機関に当てはめたとき、審査員としてそれぞれの機関の取り組みで「おもしろい/良い」と思ったポイント
下記にポイント、現地で言い足りなかった部分を含めてコメントをお示しします。


泉大津市立図書館シープラさん
〜社会的資源どころか経済的資源に
「地域の価値が具体的に上がる」という部分は、市民として絶対的に評価の高いポイントになります。純粋にありがたい。
大阪府内でも人口が多いわけではなく、あくまで地方都市と同じ勝負をしなければならない地域が市長を筆頭に市役所〜市民、特に青少年(生徒)に寄り添ってくださっているのは心強い。
長く愛されるシープラであってもらいたい。


沖縄県立図書館 “Finding Okinawan Roots” Projectさん
〜過去をアーカイブすることで未来を育む
5月に沖縄県に訪問の際に、「こどもの心を育む」ことについての対話をいたしました。全国的に見て自己肯定感が低いと言われる沖縄県において、「自分のルーツ」や「つながりを意識する」ことは、とても強いことだと感じます。
また、海外県人会とネットワークすることは、その後の学びにつながるものであることから、こちらを契機に期待が持てる大きな何かを感じられました。


国立がん研究センター「つくるを支える届けるを贈る『がん情報ギフト』プロジェクト」さん
〜病院が図書館ネットワークへ越境し情報という安心をもたらす
昨年実母がガンに罹患し、抗がん剤治療等かなりフォローしました。拠点病院で配布された"がんになったからといって全員すぐ亡くなるわけじゃないよ""相談してね"という柔らかいトーンの刊行物に助けられました。(ステージⅢだった母は割と現在元気です)
科学的根拠のある情報配信も含め、図書館のネットワークを活かしたこちらの取り組みは本当にサバイバー家族である我々もありがたいものだと感じます。自分たちだけではないネットワークの越境が素晴らしいです。


真庭市立図書館さん
〜よりどころ機能充実と文化の蓄積
校歌プロジェクトなど「なつかしさ」「また関わってみたくなる」場やコミュニティ形成をされています。
(プレゼンではあまり露出されませんでしたが)社会福祉の場づくりの意識も高いデザイン、ブランディングをされている様子です。youtube配信なども、決して地方都市、高齢者向けという意味合いじゃないのも良いなと思います。素直に行ってみたさもありました。

LOY実務初心者なので、具体的な点数については言及を避けますが、つまりほとんど差異はないです...。
皆様大変おつかれ様でございました。

そして今回の審査会にあたり、 皇學館大学岡野裕行さんをはじめ、運営の方々には大変お世話になりました。
引き続きゆるっとよろしくお願い申し上げます。

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