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環境に適応する能力(Adaptive ability)

私見ですが、お年寄りの環境から、バリアを奪ってしまうことで、逆にフレイルを助長してしまう事があるのではないかと思っています。

段差をなくしたり、車椅子を使ったり、もちろん必要なことですが、だんだんとお年寄りの

「環境に適応する能力」

を奪ってしまうことに成りかねないことを頭に入れる必要があると思います。


1.子供にとって遊びがトレーニング

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隣の市にある、無料のアスレチック施設なんですが、普通の公園にはないような遊具があります。

3歳の娘にとっては、少し背伸びが必要な遊具が多いです。

娘も最初は、「パパも一緒に来て〜」「怖い怖い〜」

と言ってビビっているのですが、一旦クリアできるようになると、こちらがもう帰ろうと言っても遊び続けています。笑

子供にとって、遊び=トレーニングであり、遊びを通して

「環境に適応する能力(Adaptive ability)」
を身に着けています。

ジャングルジムでは、握力や腕力を

ブランコやすべり台では、平衡反応能力や立ち直り反応を

砂遊びでは、道具の操作性や想像力を

自然と身につけています。


同時に、出来なかったことが出来るようになることで、

自信を身に着けていきます。

2.バリアフリーが奪うもの

逆に、要介護状態になると、周りの環境から、バリアが奪われていきます。

もちろん安心安全な生活には必要なものです。

それでも注意が必要なことがあります。

バリアフリーが奪うものがあるからです。

1つは、冒頭でも言ったように

環境に適応する能力(Adaptive ability)

例えば、デイの送迎車への乗り込みでは、

・段差昇降能力
・頭を屈めて乗り込むための従重力屈曲活動(中腰)
・サイドステップ
・バックステップ
・視空間認知能力


などが必要になります。

リハビリ室での段差昇降練習なんかよりずっと為になります。

車椅子利用の方に、普通車に移乗してもらうことで、外出練習にも繋がります。

2つめは、

自信 です。

バリアフリーになれると、チャレンジする機会が減っていきます。
上記の、車椅子からの車への移乗や、ワンボックスカーへの乗り込みなども、体にバリアがある方では、小さなチャレンジが必要です。


3つめは、

思考停止状態になることで、改善案が出てこなくなる可能性 です。

一度、タッチアップなどの据え置きの手すりなどが設置されると、安全に過ごせる一方で、援助側の思考停止につながることになる恐れがあります。

他の選択肢がないか?
身体機能や生活動作能力の回復に合わせた変更

の案が出てこなくなる恐れがあります。


3.まとめ

子供でも、お年寄りでも、バリアがある方が環境に適応する能力が磨かれます。個別機能訓練では、培えない能力もあります。

同時に、自信、自己肯定感を奪うことにもなりかねません。

安全を確保しながら、「チャレンジする」機会を与えることが、子供にもお年寄りにも必要なのではないかと私は思っています。




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