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雪山登山/BCにおける「アミアミ」のレイヤリングパターン
「汗冷えしない」はアミアミのひとつの特徴だけど、目指すところじゃないと思う。アミアミで目指すべきは「汗をかかない」ようにすることだと思う。
アミアミの仕組み
アミアミの元祖である Brynje(ブリンヤ) の模式図をもとに紹介する。活動量が少ない時、アミアミに溜め込まれたデッドエアー(空気層)が、外の冷気をシャットアウトしてくれる。そのため温かい。
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活動量が多い時、アミアミを介して、汗が上のレイヤーに移動する。そのため、汗冷えしない。
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ここで、汗をかくまえに上のレイヤーをはがすことを考える。デッドエアーを開放して効率よく熱を逃がせるので、汗をかかなくて済むのでは?
アミアミ+クルーネック
まずはクルーネックをレイヤリング。よく見かけるレイヤリングだが、理想的とは言えない。アミアミに溜め込まれたデッドエアーを開放する余地がないので。
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アミアミ+ジップネック
ジップネックをレイヤリング。マウンテンハードウェアのエアメッシュ。
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暑いと感じたときに首元のジップを開けることで、胸元のデッドエアーを開放できる。 そのため、クルーネックと比較して、快適にすごせる気温範囲が広くなる。
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アミアミ+フルジップ
フルジップをレイヤリング。フリースである Patagonia の R1サーマルジャケット。もちろんアクティブインサレーションを重ね着してもいい。
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フルジップは正面全体のデッドエアーを開放できる。そのためジップネックよりも更に、快適にすごせる気温範囲を広げることができる。
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アミアミ+ウインドシェル
ウインドシェルをレイヤリング。
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フルジップに加えて、腕まくりができる。体正面だけでなく、腕全体のデッドエアーも開放できる。そのため、快適にすごせる気温範囲の上限が大幅に広がる。もっとも好きなレイヤリング。
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アミアミ+アミアミ+ウインドシェル
ロングスリーブのアミアミの上に、ノースリーブのアミアミをレイヤリング。その上にウインドシェルをレイヤリング。
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溜め込めるデッドエアーが単純2倍になる。そのため、快適にすごせる気温範囲の下限が広くなる。
一方でデッドエアーはある程度は開放できるので、上限はそこまで狭まらないことが期待できる。アミアミではなくアルファダイレクトを重ね着しても良さそう。
自分的には -10℃ くらいの環境で活躍するレイヤリング。
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ロングスリーブのアミアミ。
ノースリーブのアミアミ。
ウインドシェルは、Pertex Quantum Air といったナイロン製のものが、耐久力・しなやかさで良いと思う。