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同じような毎日に思えても

あなたの想いを世界でひとつのオリジナル曲にする企画、「おくりもののうた」の9曲目の制作に入った。

今回はメインのエピソードがあり、それに前置きする形でほかの場面の話も書かれていた。そのどれもが「わかるなあ」という話だったので、なんとか全部をいい感じで入れようと思ってつくりはじめた。

けれどそうするとせっかくのいい話が薄くなってしまった上に、メインのエピソードもなんだかいまいちな感じになってしまった。

いくらでも使える水と、合計で100gしか使えないカルピスの原液みたいなものが何種類かある。あれもこれも飲みたいから原液を10gずつにしたら全部薄くてまずかった。みたいなイメージだ。

文章でもデザインでも曲でもそう、あれもこれも入れたくなるけれど、そうするとよくわからないものになってしまうのだ。

悩んだのだけれど、他のエピソードを全て削ってメインのエピソードを濃く書き上げることにした。削る勇気がものづくりをよくしていくのだとやっと肌でわかってきた。

全部に適応できる本質を歌うのではなくて、本質から見つけられる日常の些細な1場面をいくつも描くのがよいのだと思いはじめている。

そうしてできた歌詞はとてもいいものになった。これは明日の22:00にツイッターで公開する。今日はメインのエピソードを発表した。

だけどせっかくもう少し掘っていくだけで1つ1曲ずつ書けそうなエピソードを送ってもらえたのでnoteで公開させてもらおうと思う。

これから発表されていく曲のテーマにそって、短編小説でそれぞれの物語をのぞくように見てもらえたらいいなと思う。

そしてこの企画に興味を持ってもらえたら嬉しいなと思う。

◆小学校以来の幼馴染へ
中学まで一緒で、高校から別れた幼馴染(男)。
高校卒業前に久しぶりに会った時、
「別の高校を受けるなら言って欲しかったな。そっちを受けたのに。」
と言われた。

中学3年のある日冬の帰り道。
自分にはっきりした記憶はないけど、高校受験を控えた中、
「地元の高校にて一緒に野球部に入ろう」と誘われ、その時私は「うん」と答えた様だ。

でも私は何も言わずに、自分が希望する別の高校を受験した。
小学生から度々迷惑をかけたけど、
それでも自分を信じてくれていた仲間を裏切ったんだ、と判った。

「ごめん」とその場は言ったけど、
本当は動揺してそれしか言葉が出なかったんです。ごめんなさい。
◆中学校の友人へ
3年のある昼休み、自分のいたずらで友人が肘を壁に強打した事がある。
とても痛がる同級生に「ごめん」と謝りながら、昼休みの時間が終わってその場は離れた。

1週間経って、その友人を見かけると右腕に包帯を巻いていた。
周りからは骨折したらしいと聞いた。

バレー部のレギュラーだった友人、最後の大会に出場出来なかったはず。
自分には計り知れないけど悔しかったはず。

正直、そんな事になるとは考えてもなかった。
自分の行動が軽率だった。だけどそれで自分が責められた事はなかった。
ちゃんと謝らないまま卒業してしまい、ごめんなさい。
◆高校の部活の恩師へ
 部活の顧問の先生、大学進学を考えていた自分に
「教師になって、後輩を指導するために戻ってきて欲しい」と声をかけて頂いた。
「はい」と答えた。当時はそんな将来もいい、自分に向いていると思った。

でも、実際に大学へ入学した後は、教員免許取得も断念し、地元を離れて就職した。
母校の先生と後輩を応援に行ったのも卒業後2~3回、殆どお話しないまま、
4年前に恩師は他界された。
ちゃんとお話しせず、すいませんでした。
◆社会人になって最初に好きになった人へ
入社初期から近くでよく話をして、何度も一緒に遊びに行ったりした。
好きだった。でも、結局自分は告白出来なかった。

とにかく自分に自信がなくて、自分がどうしたいか?ではなく、
相手はどう思っているか?ばかり探していた。
やっと今なら気づける、あの時にもらった電話のサイン。
その時に気づかなくて、鈍感な自分でごめんなさい。


こういう日常のなかのひとつひとつが、実は宝石のように価値のあるものだと思う。あなたにも僕にもたくさんあるはずだ。同じような毎日に感じることがあっても、心が動いている時間がたくさんあるはずなのだ。



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