僕らは忘れていくから。
昨日は今月で10周年を迎えるライブハウス、
OSAKA RUIDOの周年イベントで歌ってきた。
写真は対バン(共演)のNo Alcohol No Lifeが撮ってくれた:-)
実は15日に別でバンドライブがあって、そちらの集客に集中したかったので、告知のタイミングを遅らせてもらっての出演だった。
それでも「大の名前を周年のスケジュールに載せたい」と声をかけてもらった。
そこまで言ってもらえたらやっぱり出たい。
気持ちに応える、というよりはむしろ気持ちに巻き込んでもらったように感じている。「出てくれてありがとう」と言ってもらえたけど「呼んでくれてありがとう」という気持ちの方が大きい。
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僕がRUIDOに出演し始めたのは10年以上前。
心斎橋筋商店街で路上ライブをしていたところを、当時のブッキングマネージャー上野さんに「今度、心斎橋RUIDOというライブハウスができるんですけど…」と声をかけていただいた。
その心斎橋RUIDOがビルの耐震問題で移転して、OSAKA RUIDOになった。
それから10年。
僕は心斎橋RUIDOがまだ木の枠組みだった時から付きあわせていただいている。
最近はいろんなライブハウスに出演させてもらっているけど、僕が初めてワンマンライブをやった場所も、主催ライブもやった場所もOSAKA RUIDOだ。
だからやっぱり単純に好きな場所。それを抜きにしても、いちばんスタッフの雰囲気が好きなライブハウス。好きな場所、人、いっぱいいるけど、ひいき目なしで、とてもリラックスした気持ちでいられる素敵な場所だと思っている。
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ライブでは店長の小澤さんが会うたびに僕の目を見て歌ってくる(笑)「remain」という曲を歌った。
この曲は活動休止前の曲で、基本的には歌わないんだけど、こういう日には解禁したりしている。というかRUIDOでしかこの曲を歌うことはないんじゃないかな。
イベントやってすぐにソールドしたり、誘ってもらったイベントに二つ返事で出る。そんな形で気持ちに応えられるのがいちばんの理想。RUIDOでかいから、まだまだ不甲斐ない気持ちになる日々は少なくないけど、こうやって曲ひとつで「ありがとう」と言ってもらえるのなら歌いたい。
この気持ちはRUIDOにかぎらず、音楽に限らず、何か役に立てることがあるならうれしい。
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昨日の出演者は僕と同じく10年戦士たちが集まっていたので、自然に昔話に花が咲いた。10年前はどんなバンドが出てたっけ?と過去のライブスケジュールを見返したりした。
2009年からのスケジュールしかなかったけど、1月しょっぱなから僕もいる。
スケジュールを見ながら「うわー!こんなバンドいた!」「このバンドこんなに長いんだ!」「改名前だ!」「売れたなーこの人たち!」と叫びたくなるぐらいテンションが上がった。
そして「続けてきたんだなあ」という感慨深い気持ちと同時に、「こんなにたくさんのバンドのことを忘れていたんだな」と思い知った瞬間でもあった。
何度も対バンして、なかよくしてもらった人たちのことも、スケジュールを見るまで思い出せなかったりした。
僕らは忘れていく。どんなに楽しかったことも、どんなに仲がよかった人も、いとも簡単に忘れていく。
いろんなこと、忘れずに大事にしていきたいと思うけど、さくらももこさんが亡くなったから、ちびまる子ちゃんを思い出すし、解散すると聞いたから、そのバンドのことを思い出す。そんなもんだと思う。
「今」は期間限定品。
情報をチェックして、行動しないと手に入らない。意思が必要だ。
意思を持って物事に触れることは忘れがち。
僕は最近、そういうのを取りこぼすのがもったいないと思うようになってきた。
なんでかっていうと、身をもって感じたことは忘れても「思い出す」ことができるからだ。2009年のスケジュールを見て、こんな気持ちになれるのは「思い出せた」からだ。
僕らは忘れていくから、思い出せるようにたくさんの「今」に触れていきたい。
OSAKA RUIDOには、まだまだあの頃の「今」が詰まっている。
5日連続で出演したりね(笑)
10周年という大事な日、というよりも「思い出話ができる日」に呼んでもらえてうれしかった。
そして、これからも「今」をつくっていきたい。
OSAKA RUIDO セットリスト
1 mine
2 コロナ
3 remain
4 good morning
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CHIP
おしごとのこと