“100均”の真実 ~名物店長が店を畳んだワケ~
記事より、
「大阪市北区の天神橋6丁目、通称「天六」。
長年ここで営業してきた100円ショップが2月に閉店し、店の前に残された貼り紙に、常連客だったとおぼしき人たちの惜別のメッセージが、続々と書き込まれているのです。
「便利やったのに残念!」
「長い間、ありがとう」
「店長さん、元気とやさしさをもらえて、大好きでした。本当に悲しいヨ」(原文ママ)
これだけ必要とされながら、どうして店を畳んでしまったのか?この店のオーナーを取材すると、100円ショップが盛況の裏で抱える、苦しい事情が見えてきました。」
本記事を読んだ、感想です。
近所の話のなので、分かり過ぎました。
1.明日は我が身
五島つばき商店は天神橋三丁目商店街にあります。以下、「天三」とします。
当然、天六の100円均シルクは知っていました。
「五島つばき商店の紹介」でも書きましたが、天神橋筋商店街は「オーバーストア」状態です。
経営の教科書で言う「レッドオーシャン」です。
コロナ以前でも2ヶ月に1店舗は入れ替わるぐらい競争が激しい立地です。
コロナ禍ではさらに厳しい状況です。
明日は我が身で本記事を読みました。
天三にも、100均のお店があり、キャンドゥさん、商店街から少し外れた所にもオカノ百貨さんがありました。
オカノ百貨さんも100均から300均に品揃えを変えたりしておりましたがコロナが始まり、閉店となりました。
ちなみに天四にも2019年頃にキャンドゥさんが新規出店しました。
天三よりも、商店街費、家賃が高いと言われる天六で100円均シルクの店長高田さんが13年続けたのは凄いと思いました。
2.固定費は働いても、寝てても襲いかかってくる
天六の100円均シルクさんは見た感じで、家賃40~50万円/月ぐらいはかかっていたと思います。
それを13年やったら、どれだけの家賃の支払いか・・・
改めて高田さんの凄さが分かってくれると思います。
毎日、お金と時間の不安がのしかかってきます。
固定費は働いても、寝てても襲いかかってきます。
だから、「鋼の連勤術師」になります。
店舗経営が難しいと言われる理由です。
3.同じ物、同じサービスを提供したら、最後はお金持ちが勝つ
1870年代から世界一のお金持ちになった石油王、ジョン・ロックフェラーがガソリンを原価割れで販売し続けて、競合他社のガソリンスタンドを潰す、吸収した事が有名です。
だから、「差別化戦略」になります。
これは100均なら、フランチャイザー(本部)が商品開発などで他社との違いを出していきます。
しかし、本記事より、
「高田さんの窮状は、特殊なケースではありません。
たしかに100円ショップの市場自体は成長し続けており、帝国データバンクの2020年度の調査によると、大手5社の店舗数は10年で4割増えて、7959店に達しました。
ところが1店舗あたりの月間売り上げ平均の推計値は、5年前を100とすると97.2で、むしろ減少しており、とにかく数を売る“超”薄利多売のビジネスモデルに陰りが見え始めているのです。」
これを見ると高田さんのフランチャイザー(本部)業界4位ですが「差別化戦略」できているのか?同業者同士でマネされまくっていないか?フランチャイジー(加盟店)の努力だけでは無理では?と思います。
高田さんの経営が下手と切るのは簡単ですが、構造的に無理な場合、基本的に誰が経営しても同じ道を辿ると思います。
4.じゃあ、どうする
ヒントは一橋大学の楠木先生の考えにあると思います。
「競争優位の階層の最上位に位置するもので「クリティカル・コア」と言っています。クリティカル・コアは、一見して非合理であるがゆえに、競合他社がマネしたいとは思わない要素です。「マネしたくてもできない」のではなく、そもそも「マネしようとは思わない」というのがポイントです。」
他人の失敗を我が事にして、どうしたら、失敗しないかを考える。そうすれば、同じ、または近い状況が起きても対処しやすいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?