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韓国で進む警察での修復的な取り組み ~NVCが地域社会を変える~

今日は私が心から感動した韓国の取り組み、「修復的警察運動」についてご紹介したいと思います。

情報元になっている韓国語の記事はこちら↓です。
https://nvcworld.notion.site/178ee5dd84e0420d9e959c8c38b2b5c6

これを知ったとき、「こんな素晴らしいことがお隣の韓国で進んでいるんだ!」と胸が熱くなりました。

NVC(非暴力コミュニケーション)の力を活かして、地域社会に調和とつながりをもたらすこの取り組み、日本でもいつか実現できたらいいな…そんな願いを込めて、この記事を書いています。


修復的とは?

「修復的」というアプローチを初めて耳にする方もいるかもしれません。簡単に言うと、これは犯罪や対立が起きた際、ただ「罰」を与えるだけの「懲罰的」なアプローチではなく、当事者同士の対話を通じて関係を修復し、未来に向けた前向きな一歩を作る取り組みです。

この修復的な警察での取り組みは、2019年に15箇所の韓国の警察署で試験導入され、2020年に142件、2021年に200件、2022年に230件を達成し、2023年には韓国全規模で展開されています。


この運動のすごいところ

1. 対話を重視

犯罪の加害者と被害者がNVCのミディエーター(調停者)のファシリテーションのもとで対話し、お互いの感情やニーズを共有します。これにより、被害者は「癒し」を得て、加害者は「責任」を理解します。場合によっては双方が納得できる解決策を目指すのがこの運動の特徴です。

2. NVCの力

この運動の鍵となるのが、NVCのスキルを持ったファシリテーターたち。彼らが安全で共感的な場を作り、当事者同士が安心して心を開ける対話を促しています。感情やニーズに基づく共感的対話がつながりを育み、解決の糸口となるのです。

3. 地域社会とのつながり

運動が広がる中で、地域の文化や特性に合わせた取り組みが進んでいます。住民自身が主体的に参加し、この活動を地域の一部として根付かせることが目標です。

4.人材育成
韓国NVCセンターでは、この運動の担い手となる人材を育成するため、以下の条件を満たす人を募集しています。

・韓国NVCミディエーション協会の会員であり、NVCミディエーション1年コースを修了した方
・退職警察官で、修復的警察運動ファシリテーター養成コースを修了した方


実際の成果は?

韓国では現在、121名のファシリテーターが44の警察署と連携し、2021年だけでも229件の紛争解決に取り組みました。当事者の約90%が「満足」と答えており、これがいかに有効なアプローチかを示しています。

ただ、課題もあります。警察官やファシリテーターにかかる負担は大きく、これを支える仕組みの強化が求められています。ですが、こうした課題を乗り越えながら、韓国は着実にこの運動を発展させています。


最後に

私がこの記事を書こうと思った理由は、日本でもNVCを実践している人たちがたくさんいる中で、「こんな未来が待っているかもしれない!」という希望を共有したいからです。

警察という公共機関で、NVCを活かした対話と共感による紛争解決が行われているなんて、本当にすごいことだと思いませんか?

日本でも、地域や職場、学校など、NVCを活かして人と人のつながりを深める取り組みが少しずつ広がっています。お隣の国でこんな挑戦が進んでいることを知り、日本でも「対話」と「共感」を大切にする文化を育てていきたいと改めて感じました。

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