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テレビCMの費用ってどれだけかかるのか

今日ラジオに出演します!nack5にてど深夜26時40分からですので、皆さん聴いてください笑radikoのタイムフリーやエリアフリーというテクノロジーを駆使していただいても大丈夫です!ボクのサイン入りステッカーいりません?笑

さて、今日はマスメディアについての広告費についてお話します。お金の話は皆さん好きですが、業界は嫌がります。大手広告代理店の方は口が裂けてもこの話はできないので、ボクがするしかありませんね!

テレビCMの費用の考え方

みなさんテレビ局が視聴率、視聴率、とよく言いますが、なぜ「視聴率」に固執するのかからお話します。メーカーが供給する「商品」がテレビ局の視聴率という在庫になります。メーカーは量産できますが、テレビ局は24時間365日しかありません。さらにCMの総量規制があるため、CMの分量を増やすことができないのです。つまり既に生産できる商品の供給量が決まっていて、無尽蔵に増やすことができません。わかりやすく言うとCMの流せる秒数が既に決められてるということです。で、その限られた供給量を元に値付けの基準をどうしてるかというと、それが視聴率なのです。ゴールデンタイムやプライムタイムの15秒とど深夜の15秒では当然価値が違います。視聴率はどれくらいの人がCMを見ているかという指標になり金額(業界ではコストと呼ぶ)に比例します。

視聴率を買う

CMは視聴率と比例するというお話をさせていただきましたが、一言で言うと「視聴率を買う」ということになります。その累計を「総視聴率」(=GRP)と呼びます。商材やCM素材などにもよりますが、GRPを1,500%買えば到達(=リーチ)が90%程度になると言われています。また接触回数(=フリークエンシー)が3回以上となれば一般的にCMを認知したと言われる指標となるのです。GRPが1,500としますとリーチ90%×平均視聴回数18回という計算になります。但しあくまでも平均視聴回数のため、3回以上見た人を換算すると約80%程度となり、最も多く接触した人は50回を超えます。つまりGRPをどれだけ増やしてもリーチは100%を超えることはなく、フリークエンシーがどんどん積算されていくことになり、非効率になっていくわけです。

よく耳にする番組提供とは

番組提供という言葉を耳にしたことはありませんか?

「ご覧のスポンサーの提供でお送りします」

「サントリーとご覧のスポンサーの提供でお送りします」

「水と生きるサントリーの提供でお送りします」

これは提供秒数の違いです。だいたい3パターンです。また提供表示テロップも秒数が多くなればカラーになったり目立つようになります。基本は30秒以上となり、一社提供ですと120秒提供など番組自体の放送時間のCM占拠によって変わってきます。番組を提供するということは制作協力をしているという考え方で、共同提供社がいる場合はみんなで協力しているということです。もちろん秒数が多いということはコストは上がります。しかし秒数が多いと当然制作協力の貢献度合いも大きいので、目立つようになるわけです。また番組提供は番組そのものにCMを流すことができます。30秒以上のCM枠を購入することができますが、ちなみに業界では番組提供のことを「タイム」と呼びます。

CM枠にはPT(番組中)とSB(番組と番組の間)の2種類に分類されます。大体はPTの方がいい枠とされていて、番組提供は一部を除きPT枠で流れます。よく見るとゴールデンやプライムタイムの番組はほぼ提供がついていて、そのPT枠は番組提供をしなければ買えない枠となるのです。また番組提供のメリットはある程度同じ視聴者に対してわざとフリークエンシーを高める方法として最適です。子ども向けのオモチャならアニメ番組の提供となるでしょうし、おじいちゃんおばあちゃんに向けた商材なら徹子の部屋とか朝イチの情報番組に提供することで、同じゾーンにCMを流すことができます。さらに競合他社を排除できます。トイレタリー商材で言うと花王が入ってる番組にライオンやP&Gなどは提供できません。抜け穴として、「提供チェンジ」を行い(ここまでは、、、ここからは、、、という件が入ります)二社、三社収容するケースもあります。そもそも競合排除しない番組(出し合い枠という)もありますので、注意して番組を見ているとすぐわかります。また「〇〇という番組に提供してます」と言えることも提供のメリットです。しかし番組提供のデメリットもあります。提供クレジットのおまけは付きますがコストが高いことです。他にも特番や年末年始の単発購入以外は原則6ヶ月契約となり、途中で辞められないことです。また全国ネットの番組は一部ローカル切り替え枠を除き全国になります。ゴールデンタイムの場合、ほとんどが全国ネットですから全国向けの商材が多いこともその理由です。その場合は日本テレビ発の全国ネット枠は日本テレビに、読売テレビ発の場合は読売テレビに枠を買いに行くということです。他にも天気予報の提供クレジットしかない「カード提供」逆にクレジットは入らない番組開始直前の「CC(カウキャッチャー)」や番組終了直後の「HH(ヒッチハイク)」などもあります。ここでは次に紹介するスポットCMを見れば商品の違いがわかれば番組提供のメリットもわかると思います。

キャンペーン型のスポットCM

番組提供の他にスポットCMがあります。これは番組提供と違って「期間やエリアが決められる」ということです。局ごとに発注を入れることができます。メリットはキャンペーン型のため、エリアと期間、局、秒数の選定ができ、かつコストが番組提供よりも割安です。但し欲しいポジションに確実にCMを流すことはできず、不要な枠を排除することもできません。どういうことかと言うと番組提供が欲しいブランドの服とするとスポットCMはなんとなくサイズは指定できるまとめ買いの福袋と考えてもらえば分かりやすいですね。一応条件は絞れますが、条件を絞ると割高になっていきます。横軸を左から右へ月曜日〜日曜日。縦軸を上下に朝から深夜のタイムテーブルで条件を絞っていきます。条件を絞れば絞るほどこのタイムテーブルでCMが流せる範囲が狭くなります。季節などの需給バランスもありますが、窮屈なクライアントは局が高く設定します。前述した通り、局は視聴率命と言いましたが、もう一つはコストを高くしないと売上があがらないため一本でも高く売りたい、となり、クライアントは一本でも安く買いたいとなるのです。その調整役がわたしたちなのです。ではどんな条件があるのかというとタイムテーブルをイメージしていただき、全時間帯と曜日が指定OKの場合は「全日(ぜんじつ)」と呼びます。あとは朝の情報番組と昼のワイドショー、プライムタイムに土日全日の「ヨの字」、平日昼帯がいらない「コの字」、さらに平日の朝が不要でプライムタイムと土日しかいらないという「逆L」がオーソドックスです。あとは日曜日と月曜日しかいらない「縦取り」もあります。これは明日の朝刊を見て、今日の朝刊を見て、の通販でたまに見かけますね。季節ごとやエリアごとのキャンペーンの場合はスポットCMを使うケースがほとんどです。デメリットとしてはゴールデンタイムのPT枠にはほとんどスポット枠が存在しないのでCMが入らないということでしょうか。

知りたいテレビの金額

皆さんが一番知りたいのはこの話だと思います。一概に言えませんが、番組提供は入札です。またテレビスポットは時期と条件とクライアントによって異なります。なので、インターネットを叩いても出てきません。しかしここまで読んでいただいてそれで終わらすことはできません。あくまでも目安としていただきたいですが、30秒の番組提供の場合、全国ネットだと600万くらいからです。またゴールデンタイムとなると1,500〜3,000万。視聴率が見込めない場合は1,000万くらいのケースもあります。60秒しか設定のない番組(一部のドラマ)もあります。そうなると倍の6,000万となります。

またスポットCMの場合は視聴率1%のコストが局によって出てきます。全日ですと関東局(キー局)は70,000円〜30,000円ぐらいです。関西局で30,000円〜10,000円くらいでしょう。ローカルの場合、地域にもよりますが青森や沖縄となりますと2,000円くらいのケースもあります。これは視聴可能世帯の数に準じてある程度、計算されています。しかしながら局が独自に金額を決めているのでブラックボックスなのです。但し、これはあくまでも目安であり、実際受けた仕事でテレビ東京で120,000円というコストをわたしは見たこともあります。

テレビCMの総括

結局はコストはブラックボックスなケースがほとんどです。他メディアも正価なんてあってないようなものですから見積もりをとるなど注意が必要です。

これでテレビCMはバッチリですね。ここまで詳細にわかりやすく書いてるテキストはありません。ぜひテレビCM放映の参考にしてもらえればと思います。

ご意見、ご感想はどしどしお待ちしています。お悩みなども解決できるかわかりませんが、相談にものります!お気軽にー!!