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ChatGPT「o1 pro」をつかってみた

日曜昼なので、ゆるめの読み物です。

Chat GPTの高性能版「o1 pro」が話題ですね。

月200ドル(3万円)と、従来の有料版の10倍ですが、私の仕事にもすごくかかわるので、さっそく試しています。

まだo1 proのすごさの全容がみえているわけではないですが、回答のクオリティーが飛躍的に上がっています。

わかりやすい一例をおみせしますね。

私自身の仕事について、こんな質問をしてみました。

回答は長いので、横線で区切られているところまでザッと流し読みで結構です

SNSの普及やAIの急激な進化で、経済メディアのありかたも変わってきました。
私の仕事は経済報道でして、下記の点について知恵や視点を提供し、今後のキャリアの参考にさせてください

①これまでの経済報道で重宝されてきたが、今後重要性を失っていくスキルや知見
②これまでの経済報道で重宝され、今後も有用なスキルや知見
③旧来は重視されなかったが、今後求められるスキルや知見

【o1 proの回答】

以下に、SNSの普及およびAIの進化によって経済報道のあり方が変容する中でのスキルや知見について、3点に分けて整理します。
キャリアの指針に活用できるよう、背景や理由も含めて詳細に述べます。

① これまで重宝されてきたが、今後重要性を失っていくスキルや知見

  1. 単純な一次情報の速報性重視
    かつては経済指標や企業決算を「誰よりも早く」伝えることがメディアの強みでした。ところがSNSや自動ニュース生成ツール、機械学習モデルによる高速な情報処理が進む中、単なる一次情報の速さそのものはSNS上のアカウントやAIニュースボットに取って代わられやすくなりました。
    → 「どこよりも速く数字を伝える」こと自体は価値低下。

  2. 平板な情報羅列型の記事作成スキル
    昔はニュースワイヤー的に要点をまとめて「何が起きたか」を伝えることが中心のスキルが評価されましたが、この単純な整理作業は自然言語処理や生成AIによって自動化されやすくなります。
    → 「誰が書いても同質な概括記事の作成力」は希少価値を失う。

  3. 長年の経験則への固執
    一つの業界や市場に精通し続けることは依然として強みではありますが、その専門性が「長年培った経験に基づく職人的勘」だけに依拠する場合は危険です。AIや高度な分析ツールが生み出すインサイトによって、経験だけでは説明困難なパターンやトレンドが発見される可能性が高くなります。経験則に固執することは相対的な重要性低下につながり得ます。

② これまで重宝され、今後も有用なスキルや知見

  1. 経済・金融理論および制度知識の深い理解
    経済学・金融理論、規制・制度体系など、「本質的な仕組み」への深い理解は、データが溢れる環境だからこそ重要性を増します。AIが提示する分析結果を評価する際に、理論に基づいた批判的視点が不可欠です。

  2. ストーリーテリング力と文脈づけ能力
    データやニュースの背後にある意味を読み解き、わかりやすく読者に伝えるストーリーテリング能力は、今後さらに求められます。大量の情報が氾濫する中、読者が求めるのは「なぜこのデータやニュースが重要なのか」という文脈です。ジャーナリストとしての編集・解釈力が一層の価値を持ちます。

  3. 情報ソースの信頼性評価とファクトチェック能力
    SNS時代では膨大な情報が飛び交い、フェイクニュースも増えます。これまで以上に情報ソースを精査し、真偽を見極めるファクトチェック能力は不可欠です。

  4. 政策立案者や企業経営者とのネットワーク
    経済ニュースは、単なる数字ではなく、背後にある政策立案や企業経営者の戦略判断を理解することで価値が生まれます。長年の取材や信頼構築によってえられる「政策立案プロセスや企業内部の意思決定プロセスへの洞察」はAIによって簡単に代替されません。

③ 従来は重視されなかったが、今後求められるスキルや知見

  1. データサイエンス素養・AIツール活用能力
    膨大なデータセットや統計資料、SNS上の非構造化データを解析・視覚化し、独自のインサイトを得るためのデータサイエンス的視点が、報道者にも求められます。また、生成AIやPythonを使いこなし、効率的に下調べ・分析を行う能力も鍵となります。

  2. インタラクティブ・マルチメディア表現手法
    テキスト一辺倒ではなく、動画、音声、ライブ配信、リアル参加型イベント、データビジュアライゼーション、インフォグラフィックス、対話型ツールを用いた新たな報道スタイルが重要になります。受け手のエンゲージメントを高めるためのインタラクティブな情報提供手法が、新しい価値を創出します。

  3. コミュニティ形成・エンゲージメント戦略
    単に記事を配信するだけでなく、SNSなどを通じて読者との直接的な対話やフィードバック収集を行い、ファンベースを育てる能力が求められます。経済記者・分析者自身がブランドとなり、読者コミュニティを形成することで信頼と影響力が強化されます。

  4. UX(ユーザーエクスペリエンス)志向
    報道内容をどのように提示すれば、読者が最も理解しやすく、納得しやすく、さらに興味を喚起できるかというユーザー視点での発想が重要になります。経済報道でも、読者の学習曲線や情報摂取プロセスを考え抜く姿勢がこれまで以上に要請されます。


この回答が20秒くらいで出てきました。

①は次のフレーズが特にドキッとさせられました。

「長年培った経験に基づく職人的勘」だけに依拠する場合は危険です

報道に携わる人間として、②はすごく納得感があり、今後も大切にしたいです。

③もすごく腹落ちしました。漠然と自分のなかで大切にしようと思っていたことをきれいに整理してくれた気もします。

◆ コンサルより優秀?

そして、ここからさらに私の活動や意見、質問をまじえていくと、さらに議論が深まっていきます。

正直なところ、これほど有益な視点をすぐに提示できるコンサルタントって、なかなかいないと思います。知識が網羅的で新しく、それらをうまく束ねて、ソリューションを提示する能力がすごいです。

試しに「じゃあアナウンサーは?」「医者は?」「弁護士は?」「営業職は?」「接客業は?」などと聞いてみたところ、「あー、たしかに!」とインサイトを与えられる回答が、きれいに整理されてでてきました。

従来の有料ChatGPTからすごく進化していると感じます。

こういった「お仕事相談」だけでなく、日々のニュースをどう伝えていくかのブレーンストーミングでも、ものすごく優秀ですね。

報道関係者数人でミーティングするよりも、スピーディーに伝えるべきポイントの整理が進んでいく感触があります。

AIはさらに進化していきます。NVIDIAの高性能半導体Blackwellの出荷が進めば、もっと多様で、深く、速い回答やコンテンツをつくれるでしょう。

◆ 月3万円は高い?安い?

月3万円は高く感じるかもしれませんが、こんな優秀な仲間が、365日24時間使えると考えれば、ものすごく安いともいえます。

人ひとり雇うのと比べると、はるかに安いので、私のようなフリーランスや中小企業経営者は活用の余地は十分にある気がしています。

もし、「やっぱり使えない」と思えば、すぐに解約できます。人を雇ってうまくいかなかった場合のような、手間や配慮、ストレスもありません。

◆ noteにもうまく活用

AIの急成長は、旧来型の報道スタイルには大きな脅威にもなります。

一方で、ひとりの専門家や、小規模のスタートアップ企業でも、AIの技術をうまくとりこめば、質・量とも充実した発信ができる可能性があります。

年末年始のnoteも、私自身の取材や創意工夫に加え、AIの追い風も借りて、コンテンツの質・量を充実させていきたいと思います。

平成の時代にマンパワーでこなしてきた業務の多くをAIに代替させ、そこで浮いた時間や労力を、上記回答③にある「多様でインタラクティブな情報発信」「コミュニティーの形成」などにまわしていくのが大切だと思っています。

AIにおそれず、noteでもAIをうまく活用し、その分、新しい気づきや体験、コミュニティーを提供できるよう工夫を重ねていきたいと思います。

AI活用法はほかにもいろいろ気づきがあるので、コアメンバー向けコラムなどで追々書いてまいります。

みなさんのご意見、ご要望もお寄せください!

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