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【そもそも解説】GDPって? 初の600兆円

けさ、4-6月の日本のGDPが発表されました。

個人消費が強く、実質成長率は3.1%(年率換算)と市場予想を大きく上回りました。

名目ベースで初めて600兆円(年額換算)を超えたことも話題となりました。

さて、「GDPってなにか」、中学生に説明できますか?

日本語は「国内総生産(Gross Domestic Product)」。「総生産」なのに、内訳に「個人消費」があるのって、ヘンじゃないかと言われたら、答えられますか?

昨年、noteで解説したところ、好評だったので、今日のデータも踏まえながら、「そもそも解説」をアップデートしました。

今年入会された方はもちろん、「昨年読んだかも」という方もサッと目を通していただければうれしいです。

◆ ニュース、よく考えると…

きょうのニュースも、GDPがよかった中身は「個人消費が…、設備投資が…」といった説明が大半です。

「GDPのおよそ半分を占める個人消費は…」ともいわれますが、「生産」のうち半分を「個人消費」が占めるって、違和感のある文でもあります。

きょうはそのモヤモヤがすっきりするよう、わかりやすく説明しますね。

◆ まず教科書でよくある説明から

中学や高校でもGDPが教えられることがあります。

そのとき、よく使われる例がパンです。

単純化して、「農家」「小麦粉メーカー」「パン屋」の3つにわけます。

売上高は…
・農家:40円
・小麦粉メーカー:90円
・パン屋:150円

ですね。

でも、小麦粉メーカーが生み出した価値って、90円ではないんですよね。

40円で仕入れた小麦を90円の小麦粉にした、差額の50円が小麦粉メーカーの成果といえます。

パン屋が生み出した価値も「90円の小麦粉を仕入れて、150円のパンにした」差額の60円です。

図にすると…

こうなります。

この「+40円」「+50円」「+60円」というそれぞれの価値が「付加価値」と呼ばれます。それぞれの人・会社が「新たにえた価値」です。

そして、これを日本中で全部足したものが「国内総生産=GDP」です。

今回、これが年換算で初めて600兆円を超えたということです。

モノだけでなく、たとえば美容師のようなサービスでもGDPです。

美容室はカット代を受け取りますが、家賃や光熱費などが原価です。パン屋さんにとっての小麦粉代ですね。「カット代-原価」で利益が出ていれば、美容師の生み出した「付加価値」です。日本のGDPの一部になります。

◆ ではニュースの話に戻りましょう

じゃあやっぱり、GDPのニュースは「機械の生産は増えましたが、外食や娯楽サービスが減り、全体としては●%成長でした」みたいに業態とか製品別の「生産」を伝えるのが自然ですよね。

しかも、「GDPの半分以上を占める個人消費」って、意味不明に感じるかもしれません。

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