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雇用統計 & ISM なぜ注目?(そもそも経済#16)

7月は初月無料とあって、すでに2500人以上もの新規入会をいただいています。

ただ、過去記事を読めるとはいっても、何十本も読めません。1年前から会員の方も全部は覚えていないでしょう。

なので、過去記事を再整理して説明しつつ、最近の話題をなぞって、理解を深めるというのは、幅広い方に有益なのかなと感じています。

今週は月初めとあって、ISMや米雇用統計など経済統計ラッシュでした。サクッと内容を振り返りつつ、「そもそも雇用統計やISMはなぜ注目されるの?」という基本を確認したいと思います。

◆ まず昨晩の雇用統計

平均時給は市場予想を上回った一方、雇用者数は予想を小幅に下回りました。雇用者は4-5月分も下方修正されています。

強弱まじった内容で、S&P500の終値は結局0.2%安と小さな動きになりました。

前日発表の民間調査、ADP雇用リポートが強い内容でしたが、本番の雇用統計ではレジャーや小売、輸送といった部門での雇用に鈍さがありました。上の青い棒グラフをみても、雇用は緩やかに鈍化しているトレンドですね。

FOMCの利上げ見通しは下記の通り。雇用統計の発表前後でそれほど大きく動いていません。7/26の再利上げは確実視されていますが、その後さらにもう一回の利上げがあるかは見方が分かれています。

◆ 続いてISM

米企業へのヒアリングをもとにした指数ですね。製造業とサービス(非製造業)にわけて発表されます。

【注】配信当初、表の「サービス」と「製造業」が逆になっていました。いまは訂正済みです。申し訳ありません

景況感は製造業は悪化がつづいています。サービスは市場予想を上回り、ややサプライズとなりました。50が好不況の分かれ目とされます。明確な景気後退というわけではありませんが、この1年あまりは全体として鈍化傾向が続いています。

主な項目別をザッとみてください。

特に注目されるのは下の2つ。「物流遅延」と「仕入れ価格」ですね。サプライチェーンの混乱が落ち着き、モノを調達したり、発送しやすくなっています。同時に仕入れコストの上昇圧力も和らいでいますね。

数字を頭にいれたうえで、下のコメント2つを眺めると、米経済の状態がイメージしやすくなると思います。

◆ 4大 経済指標

わたしのなかの4大経済指標は下記の4つ。毎月の発表順に並べると

① 毎月初旬:ISM指数(製造業とサービス)
② 毎月上旬:米雇用統計
③ 毎月中旬:CPI(消費者物価指数)
④ 毎月下旬:PCE(個人消費支出)

なお、「GDP」は経済指標の王様ともいわれますが、四半期に一回で、発表時期も遅く、短期的な景気の変化を読み取るうえではあまり重視されません。長い期間の経済を振り返ったり、国際比較には重宝されますが、ここではランク外としています。

では、今回は①と②がなぜ重要なのか、説明します。③④は今月のCPI発表のタイミングでまとめましょう。

◆ ISMなぜ重要か

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