ソーシャルディスタンス
(2013年頃のチェンナイ国際空港)
ソーシャルディスタンスという言葉が市民権を得て三年足らず。ふと10年前に暮らしていたインドでの人と人との近さを思い出した。そこには人と人が距離など取らず濃密さでむせかえっていた。
当時の思い出
飛行機を降り立ち、国際線なら入国審査なりを済ますと、チェックイン荷物の回収という作業があるのは皆さんご存知の通り。
南インドのチェンナイ空港では、飛行機が到着後30分くらいで、すこ~しづつ、荷物が流れ始めます(時間のばらつきは大きいですが)。ゴールドメンバーなどで「優先」タグがついていると早く出てくる可能性が多少高まりますが、全然効力を発揮しないこともしばしばあるとも聞いています。(私自身はゴールドでもなんでもないので伝え聞き。)
この間いつも感じることは、「近い、近い。」ということと、「まだ、荷物は流れ始めてないんだから、焦るなよ」ということ。それと、30センチの隙間に入ってこないで、、、少なくともぼくは、あなたの荷物をかっさらおうなんて思っていません。」と申し入れしたい気になることしばしばです。旅客数の割にベルトの長さが短い、荷物を流すペースが遅い、いや、ペースが遅いというかもうすべてが遅い。などの諸要因とあいまって、非常に息苦しい時間を過ごさなければなりません。
少し、時間を戻しますと、まず、インドへ帰るという現実を味わうのは、バンコクやシンガポールの空港ですでに始まります。チェンナイ行きの飛行機のボーディングゲートはたいてい、いっちばん端っこであることが多いのです。(これは被害妄想かもしれませんが。)
バンコクやシンガポールの出発空港のチェンナイ行きゲートに行くと、「あ~、かの国の方々がたくさんいらっしゃる。」と現実をかみしめます。搭乗後は、となりの席に陣取った彼らとの「肘掛戦争」に惨敗、機内食の時には「ベジ、ノンベジ」と聞かれつつ、チェンナイ空港に着陸すると、まだビジネスクラスの客が優先でエコノミー客の順番までは当面時間がかかるというのに、席に座っていると、窓際に陣を張っていた肘掛戦争の勝者から「おい、早く通路に出ろ。荷物がとれないじゃないか」というプレッシャーを受け、入国審査でそれなりの長い列を並び、、、、というステップを踏んで、最後が写真にあるラッゲージベルトとなります。
「肘掛戦争」と「チェックイン荷物回収戦争」が一日も早く終わり、インドに平和が訪れることを願ってやみません。
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