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答えのない答えを見つける極意_デザインから晩のおかずまで1

こんにちは。
照明器具メーカーでライティングデザインを生業にしおります
gotoと申します。
年間200件ほどデザインをこなしています。
照明の事を考えるのは超めんどくさいので、私たちにぶん投げて
くださいの精神の持ち主。

「抽象と具象の行ったり来たり」が極意

前回はアイデアの第一歩は荒唐無稽なくらいで丁度良い、と解説しました。

インテリアデザインがほぼ無い状態のブライダル施設を例にしていますが
式場のコンセプトを「神様が降臨してくれる式場」として紹介しています。
(会いに行けるアイドル的な物言いで不敬)。

そしてそのイカれたコンセプトをいかに現実的な「照明器具」と
「照明デザイン手法」に落とし込むか、までを解説しました。

ちなみに具体的なPJの進展は無く売上も無く「生産性低い社員」の評価を固めるに至る

当たり前ですが、いきなり「コレだ!」という手法を導いた訳ではありません。
思考の試行錯誤が多くなされています。
それはどのようなものか?
デザインに関わらず様々なジャンルで応用、展開できる思考のプロセスです。

それは「抽象」と「具象」

図にするとこんな感じでしょうか。
「抽象」はコンセプト(デザインの方向性)にあたります。
そこから思考を展開して具体的な器具や手法を決定します(具体化)。
図形の「具象」側が大きいのは、具体化するほど情報量が増えるためです。

晩御飯のおかずで考える抽象と具象

冷蔵庫に「卵」「ネギ」「ひき肉」「豆腐」があるとします
(他にご飯や各種調味料なども)。

ひき肉まである「いらすとやさん」凄い

「ではこれらの材料から料理を決めてください」
と言わるとちょっとしんどいのではないでしょうか?
味付けまで含めての料理なので、
・どの調味料を使うか
・調理方法は?(焼く、煮る、蒸すetc)
・下ごしらえはどうするか?
などなど。
1つ決めると2つくらい新たな検討事項が現れます。
スタートしたばかりのドラクエ状態です。

「抽象⇔具象」で晩御飯をスムーズに決定する

例えば抽象の項を「中華」とします。

オイスターソースを少し入れるとよりそれっぽくなります

このような形で、メニューだけでなく調理手順までもパッと
見積もれるのではないでしょうか?
(もちろん個人差はあります)。

「中華」としておけば、メニューの選択肢は自ずと増えます。
「チャーハンは昨日食べたし…」

「麻婆豆腐」

麻婆豆腐の素は使わない派 カレー粉入れても美味しいよ

さっぱりとした和食にしようか。
めんつゆや白だしを使えば…などと抽象の項目を変えても同様に
展開できます。

「抽象⇔具象」は細部に向かう

始めに取り上げたブライダルの照明デザインではこのような形です。

「間接照明を用います」だけでは具体性が欠けています。

もちろんこれだけで終わらず、器具の種類や納めの寸法、操作システムの検討など細部まで検討するわけです。

仕事に慣れてくると、ついつい「片付ける」ことに意識が向かい、「それ」が何を及ぼすか?の観点を失いがちです。
料理の例で言えば、自分以外の家族の体調も重要になります。
・口内炎が痛む
・発熱して食欲が無い
であれば刺激の強い料理は避けよう、となるわけです。

というわけで「抽象⇔具象」の参考書籍をご紹介して終わりにします。
必読!


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