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荒唐無稽の評価を恐れるな プランニングの第一歩

こんにちは。
照明器具メーカーでライティングデザインを生業にしおります
gotoと申します。
年間200件ほどデザインをこなしています。
照明の事を考えるのは超めんどくさいので、私たちにぶん投げて
くださいの精神の持ち主。

前回、プラン(照明やインテリア、建築問わず)の基礎は「理想」を掲げることから、と説明させていただきました。

では、その「理想」を受け取った方(プランする側)はどのように展開すればいいのでしょうか?
その実例をご紹介します。
(図面等は実際のものを説明用に改変したものを使用しております)


クライアント様も設計事務所も明確なビジョンが無い!

とあるブライダル施設の照明デザインの依頼を受けた時の図面です。
概算見積用で建築形状やインテリアなどは白紙の状態でした。
設計事務所からも特にリクエストは無く…
(ちなみに良くあることです)

しかし、予算算出用とは言え適当なデザインにした場合、計画が進むうちに不都合が出ることが多いのです(予算が足りないなど)。

そのため、こちらとしては「ここまでやれとは言ってない」と言われる覚悟で盛った内容にします。
(実際は怒られるというより喜ばれる事が多いです)

「こちらの好きにさせてもらうぜ!」ただし利用者目線で

この図面の部屋は神社を模した式場です。
ここで親族や友人が誓いを立てる新郎新婦を見守り、祝福する場です。
その人たちがどのような「気持ち、感情」を持っていただくか?
どのような「記憶、思い出」をプレゼントするか?
そこが照明デザインのキモであります(照明だけではないですが)。


神前式なので神様カモン!

罰当たりと思いつつ、式を挙げる当事者を思えばそのようにしてあげたい、と思うのは人情でしょう。

神様がいらっしゃった「気配」を光で表現できないか…?

本物の神様はまず無理なので…

「安直だなあ…」と思った方。
正解。

複数のお仕事を同時に進めざるを得ない身なので、お子様レベルの発想しかできず。
「八百万の神のどの神様をイメージしてるの?素戔嗚尊?」
などと追及されたらどうしようと少しビクついていましたが杞憂に。
以下イメージ画像です(拝殿側から本殿を見ている状態)。

通常の状態
式が始まると暗転
拝殿の間接照明をON
新郎新婦を迎える際は浜床と拝殿の境に光のラインを流して結界に

「アイデアを出すときは狂人の如く」

などとある程度のシーンのイメージをまず固めます。
漫画で言うとネームにあたるでしょうか。
下書きが定まったら後は細かい描きこみを進めます。
どの照明器具をどの位置に置くか、それらを制御するシステムには
何が必要か。
「作業」としてはここに多くの時間と手間を取られます。

しかし最も重要なのは、「そこを使う人に抱かせる感情」です。
それを光でどのように表現するか、それらを考えるのは他人から見たら
妄想を超えた狂気の沙汰かもしれません…

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