リアルを全部恐れない、オンラインにチャレンジする
先々週は春日部市市民活動センターで開催された「ぽぽらフェスティバル2020」に、そして先週はみやぎNPOプラザで開催された「みやぎNPOフォーラム2020」に登壇いたしました。
それぞれテーマは、「コロナ時代の市民活動・地域活動のヒント」「どうする?Withコロナ時代のNPO!〜オンライン化の進め方とリアルな場のつくり方〜」など、このコロナ状況下においてNPO・市民活動・地域活動をどのように進めるかが主要テーマに設定されました。
2020年の市民活動・地域活動は、新型コロナウイルスの影響によって、なかなかリアル・対面で集まれない・・・、イベントができない・・・、ミーティングもできない・・・と言った状況に飲み込まれました。自治会・町会やPTAや高齢者の通いの場などで、活動が停止したという事例を数多く聞きました。
市民活動・地域活動はイベントや交流を主活動にしています。それによって、人と人とのコミュニケーションや交流やつながりをつくっているのです。それが寸断されたということは、人間で言うと体内の血液が寸断されたようなものです。「コミュニケーション」や「交流」や「つながり」という名の血液が体内を循環しないようになったことで、身体の(地域の・市民の)いろいろなところに機能低下や痛みが起きている。新型コロナウイルスは市民活動・地域活動・コミュニティ活動の必要性を照らしてくれたとも言えます。
新型コロナウイルスの発生から約10ヶ月経って、いろいろなことがわかってきた今、私は2つのことを強く思っています。
1つ目は「リアルを全部恐れない」ということです。今まさに第3波で(2020年12月15日現在)、GoToトラベルの全国一斉停止が発表されたところですが、そんな中でも「リアルを全部恐れない」ことが大切だと思います。もちろん社会全体の感染状況によって強弱をつけながらにはなりますが、換気やマスクや手指消毒などの感染対策をしっかりと取っていれば、リアルな場をつくることはできます。そして、「リアルな場が過度に減ってしまったことによる被害・影響」が大きいこともこの約10ヶ月で見えてきたような気がします。この12月1月2月はまだまだ厳しい状況が続きそうな気がしますが、3月4月の春頃には感染も少し収まり、またリアルな場がつくりやすくなると思います。全部を恐れないで、要所要所でリアルな場をつくっていく工夫・努力をしていくことが大切だと思います。
もう1つは「オンラインにチャレンジする」ことです。「コミュニケーション(会話・雑談)」や「交流」や「つながり」が人間の心身に大きな影響を与えることがわかった以上、なんとかしてオンラインでもコミュニケーションが取れるようにがんばっていきたいです。最近少しずつ高齢・年輩の方々の「Zoom使ってみた」「オンラインに慣れてきた」という声を聞くようになりました。やってみると意外とできる、慣れれば使いこなせる、そんなこともわかってきています。「苦手!」「無理!」と決めつけないで、まわりのサポートも受けながらチャレンジしてみる流れができるといいなと思っています。今はチャンスです。そんな時代なのです。
市民活動・地域活動・コミュニティ活動に長年携わってきた私には、コロナ時代は「コミュニケーション」「交流」「つながり」の危機に見えます。これらは経済や医療に比べると“不要不急”のように見えますが、最近の自殺者数増加やメンタル不調増加の報道を見ても、人間の心身や社会生活に大きな影響を与えていることは明らかです。
だからこそ「リアルを全部恐れない」で、要所要所でリアル・対面をつくる工夫・努力をしていくこと。そしてコロナ状況下をよい機会と捉えて、「オンラインにチャレンジする」ことで、なんかと「コミュニケーション」「交流」「つながり」を絶やさないこと。「コミュニケーション」「交流」「つながり」という名の血液が体内(地域・市民)に循環するために、強く創意工夫するフェーズに来ていると思います。