人はどうやって衰えていくのか -1-
『フレイル』という言葉をご存知ですか??
私はまったく聞いたことがありませんでした。人は、健康な状態からプレフレイル → フレイル(=虚弱)という状況を経て要介護や寝たきりになり、やがて天寿をまっとうするのだそうです。
飯島勝矢著 『東大が調べてわかった衰えない人の生活習慣』を読みました。読みやすく、興味深く、アッという間に読めてしまいました。
千葉県柏市で2012年から行われているが、大規模高齢者フレイル予防研究(通称、『柏スタディ』)
フィジカル・フレイル 身体の虚弱 サルコペニア、ロコモなど
ソーシャル・フレイル 社会性の虚弱 閉じこもり 困窮 孤食など
メンタル/コグニティブ・フレイル 認知の虚弱 うつ、認知機能の低下
の3つがさまざまに絡み合い、健康な状態から要介護へ移行するそうです。「体が丈夫だからフレイルにならない」とは言えないのだそうです。
フィジカル・フレイルに関して簡単なテストがあるそうです。『指輪っかテスト』というもので、人差し指と親指で作った輪っかでふくらはぎの太さを図ります。輪っかよりふくらはぎが細い場合は、絶対とは言えないものの筋肉が衰えている可能性が高いそうです。ふくらはぎが細すぎる人は、サルコペニアの有症率が6.6倍だそうです。
サルコペニア:加齢や疾患により筋肉量が減少することで、全身の筋力低下および身体機能の低下が起こることを指します。(健康長寿ネットより)
また、オーラル・フレイルもばかにできません。年とともにあご、咀嚼筋、かむ力が弱くなり、むせたり、飲み込みが悪くなったりします。また虫歯や歯周病により歯を失うことからも、噛む力や舌の動きも悪くなります。そのことが原因で、新型栄養失調やサルコペニアを発症しやすくなるそうです。ちょっとした舌と唇のチェック方法が『パ・カ・タ』テストで、パ、カ、タのそれぞれを1秒間に何度言えるかを試します。6回以上いえると大丈夫だそうです。【対策】歯ごたえのある食材、定期的な歯のチェック、滑舌を保つ『パタカラ体操』、飲み込みを助ける『唾液腺マッサージ』です。『パタカラ体操』と『唾液腺マッサージ』の詳細は本書をお読みください。
さらに、新型栄養失調があります。たんぱく質摂取の絶対量不足が原因だそうです。たんぱく質の不足は、記憶力や思考力の低下、うつ状態に陥りやすくなるそうです。たんぱく質の不足については、フレイルに関してだけではなくて、体の不調を治すとか発達障害とかの本にも同じようなことが書いてありました。現代の食生活では糖質過多で、たんぱく質の摂取量が少ないんだとか。【対策】年を重ねるごとに、たんぱく質の生成能力が落ちたり、食力が衰えてきたりするので、50代以降はゆるやかな肉食系がいいそうです。またビタミンB6と一緒にとり代謝を促進、またたんぱく質+カルシウム(←合わせてマグネシウムも大切ということを何かで聞きました。ナトリウムとカリウムの関係のように体内で相互関係があるとどこかで聞きました。参考文献を思い出したらアップします)、ビタミンDとビタミンKの摂取も。さらに、たんぱく質は食べダメができないので、毎食でこまめにとるようするのが良いそうです。
たんぱく質は一気に摂取量を増やすということは難しいですし、年とともに消化酵素も減ってくるので、40代になったら、栄養のギアチェンジを意識するといいそうです。40~60代半ばまではエネルギーの取りすぎに注意、それ以降はエネルギーが不足しないように注意する必要があり、特に75歳以降は新型栄養失調に気を付けることがフレイルを予防につながります。
以上、主にフィジカル・フレイルに関してでした。
さらに、ソーシャル・フレイルについては、明日投稿したいと思います。
本日もありがとうございました。
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