Music Inn Fujieda 通信 Vol.3
誕生日にクラウドファンディングの目標額を達成することができました。本当にありがとうございます。たくさんの応援メッセージにも感動しました。地道に音楽活動を続けてきてよかったなと心の底から思いました。
以下はCAMPFIREの活動報告に寄せた文章です。
本当にホッとしました。
代表理事の小林君と藤枝を歩いて物件探しをしていた頃、最初に候補になった石の蔵では、音響の設計者から改装費1億円と聞き、ズドーン!みたいな重圧というか、大変なことだなと思ったことを覚えています。正確には、人差し指をピンと立てて「これくらいはいきますよ」と伝えてくれたわけですが…。
その後、石の蔵(大正時代のとても素敵な伊豆石の蔵でした)は取り壊され、住宅地に転用されることが決まって、計画は白紙になりました。そこから懲りずに藤枝の町に通って、様々な縁を手繰ってたどり着いたのが今回の土蔵と土蔵に隣接するビルでした。江崎新聞の江崎社長とはじめて面会したときのことは忘れません。パーっと視界が開けるような出会いでした(お世辞ではありません)。
それから小林君や仲間たちと連絡を取り合って、盛り上がったり落ち込んだり、本業の傍らでそういうことを繰り返してきたわけですけれど、今回の目標額達成は本当に報われると言うか、救いのようでもあって、頑張ってきて良かったと思いました。
問題はこれからで、隣接するビルの改装や、スタジオやゲストハウスの運営など、考えないといけないことは山積みですけれど、とにもかくにもここまで来れたのはみなさんのご支援と応援のおかげです。本当にありがとうございます。
3階の宿泊・コミュニティスペースの設計は、土蔵の防音設備にかかる金額の算定を待って、年度内には公開します。防音扉、防音窓、防震ゴム、それに施工費が加わって、なんとか3階の費用が残ってほしいというのが正直な現在の思いです。ゆえに、目標額を超える支援は本当にありがたいです。
というわけで、場所もアイデアもあるのですが、資金だけが不足しています。今回のクラウドファンディングで土蔵スタジオの建設費に目処が立ったことには、心の底から安堵しました。しかし、我に返れば、スタートラインに立ったに過ぎず、運営や経営も含めて、頑張らねばいけないのはむしろこれからなのだと気を引き締めます。
頂いたご支援は大事に使わせていただきます。何度も書きたい言葉ですので何度も書きますが、本当にありがとうございます。
また、12月15日のクラウドファンディング最終日まで、引き続き注目していだだけましたら幸いです。藤枝という静岡の地方の町ではじめた小さな取り組みですけれど、「こんなに楽しそうなプロジェクトがあるのよ!」と、多くの人に知らせていただけたら嬉しいです。ニュースに溢れる社会のなかで、「知ってもらえること」の有り難さを思います。
また、僕の誕生日の数日前に、北九州の困窮者支援団体、抱樸のプロジェクト「希望のまち」のクラウドファンディングの目標が達成されました(なんと110%を超える支援が!)。感動しました。
『Apple Vinegar Music Support』を立ち上げるにあたって、抱樸の活動を見学させてもらったこと、炊き出しや夜回りに参加させてもらったこと、そこでの出会いや言葉が間接的にも直接的にも、自分の活動の励みになり、助けにもなりました。
どこを眺めても、他罰的な言葉ばかりが目に付く時代になりましたが、こうして誰かを思いやる心が社会のなかに点在すること、それらが集まるとそれなりに大きな力になること、そうしたことを感じられて、身体の緊張がいくらかほぐれます。焚き火で暖を取るように、温かい気持ちになります。
支援の具体的な内容は違いますが、僕たちもその姿勢を見習って、社会が少しでも柔らかくなるような活動にしていけたらと思います。
僕は音楽からは十分に、いろいろなものを受け取りました。それらを分け与えるというよりはシェアするように、社会に還元していきたいと考えています。もしかしたら失敗して、すべてが立ち行かなくなるかもしれない、みたいな悪夢もたまに見て将来が不安になります。しかし、僕には「希望のまち」があります。なんと心強いことかと思います。
長くなってしまいました。
本当にたくさんのご支援、応援のメッセージ、誕生日のお祝いメッセージ、ありがとうございました。それらに込められた愛と呼ぶべきエナジーを糧に、また道なき道を転がって行きます。頑張ります。
後藤正文