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Music Inn Fujieda 通信 Vol.5

 クラウドファンディングも残り3日となりました。多大なご支援と応援、ありがとうございます。

 12月7日に着工式を行いました。これからスタジオを作るために、土蔵の本格的な補強工事がはじまります。まずは揚げ屋という手法で土蔵を持ち上げて、基礎を造り直します。そして宮大工さんたちが土蔵を修復、補強していきます。

着工式は初めての体験で、玉串を奉納する際の手順がわからず、AVMS代表理事の小林君が先頭でなかったら詰んでいるところでした。小林君が榊を食べるなどの暴挙に出たとしても、僕はそれを無批判に丸っと真似して食べたと思います。緊張しました。事故なく工事が終わりますように。

 設計を進める上で、土蔵スタジオの防音について考えると、土蔵スタジオのメインブースの面積を狭くせざるを得ないことが判明しました。2階のコントロールルームの床下に1階のスタジオを伸ばして面積を稼いでいましたが、目標とする防音性能を得るためには壁をそのまま真下に落とす必要があるとのことでした。

写真左、ロフトのようになっているところがコントロールルーム。階段脇の厚い壁をそのままストンと下に落とさないと、高い防音性能は発揮されないという説明でした。

模型写真 ©株式会社光嶋裕介建築設計事務所

 それによって、メインブースが15㎡よりも狭くなってしまうとのこと。これだと、いくら天井が高くてもやや圧迫感があります。アップライトのピアノの設置を考えていましたが、それも厳しいと言わざるを得ません。

 解決策はコントロールルーム(写真2階部分)を土蔵とは別の建物に出すことでした。土蔵スタジオの構造はシンプルになるので材料費を少し抑えることができますが、別棟の工事が必要になるため、決断すると数百万単位で新しい出費が発生します。

2階を造ると、面積が14.3㎡に。これは当初の設計よりも狭い。コントロールルームを外部に造ることで、スタジオは19.2㎡に拡大でき、しかもAとBふたつのブースまで設置可能に。これでライン録音も含めれば4人組バンドの一発録音まで可能になります。

 クラウドファウンディングの達成率が低ければ、正直に言って頭を抱えて悩んだと思います。途方に暮れたかもしれないです。しかし、皆さんのおかげで、既に100%を超える支援が集まっています。なんと心強い!!

 音響チームと相談して、土蔵スタジオのコントロールルームを外部に移して、スタジオの面積の最大化を目指すことにしました。メトロノームを使わないバンドの一発録音まで考えられる構造になって、利用者にとってはアップデートと呼ぶべき、素敵な設計変更だと言えます。

 このような決断を躊躇なくできたのは、支援してくださった皆さんのおかげです。ありがとうございます。

こちらがMusic Inn Fujiedaの構想全体図です。図にはありませんが、土蔵スタジオの左奥にある江崎新聞の作業場をお借りして、そちらにコントロールルーム(ミキサーやスピーカーなどがある部屋)を造ることになりました。ケーブル類は地中に埋設して繋ぎます。

 クラウドファンディングは残りわずかとなりました(この文章を書いている時点では残り3日)。皆様の支援が、こうして私たちの力になっています。実際に、将来にこのスタジオを使う人たちに向けて、ひとまわり大きな贈り物になったことを嬉しく思います。しみじみと感動しています。

 ゲストハウスなど、(仮)がついている設備の実現に向けては、資金が足りていないというのが実情です。持続可能な活動のためにも、引き続き、ご支援と情報の拡散にご協力ください。


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Masafumi Gotoh
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