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ドサクサ日記 2/17-23 2025
17日。
駐停車禁止の標識のない道路に車を停めていたところ、違反切符を切られてしまった。どうやら車体が道路の角から5mのところにかかっていたらしく、3点の減点、18,000円の罰金とのことだった。反論の余地はなかったので、郵便局で即日納付。近隣で一番安い駐車場は24時間で600円で、月極のように使っても18,000円。次の更新でゴールド免許を失うのは己の迂闊さのせいで、自戒しきり。
18日。
貼るホッカイロはどこに貼るのがもっとも効果的なのか。俺は腹が冷えることが多いので、臍よりやや下を狙ってTシャツに貼ることが多かった。この日は股引のゴムの下あたりに貼ってみた。最近履いているチャックのないズボンでは、用を足すときにホッカイロがお稲荷の裏側に来る。最初はあってはならぬ温かみに感じて、下着にやってしまったのかと思って焦った。慣れるとなんだか安心する温かみ。
19日。
能登は輪島市の門前町へ。金沢からの道は復旧しているが、ところどころ波打ったり崩れたりしている部分も残っていて、地震の揺れを大きさを想像するには十分だった。隆起した海岸線は実際に見るととても広くて驚いた。海岸沿いの杉板貼りの古い民家が傾いたり崩れたりしていて、被害の大きさに胸が痛む。これらを解体すれば復興するわけではなく、更地が広がるだけで、「工事が完了したら支援の人々が去ってしまうのではないかと不安だ」という言葉が重かった。早く片付くのが復興ではない。古民家の木材は回収して再利用も可能だが、解体を急げば受け入れる体勢が整わず、ほとんどが廃棄されてしまうのだという。仮設住宅にもお邪魔したが、1Kで20平米に大人2人はかなり狭く、布団を上げるスペースもない。どんな部屋に当たるかは運で、話を聞いた老夫婦は大変そうだった。2年で退去ということだが、新しく家を建て直す余力はないと言っていた。元々の家が立派だったこともあるだろう。大きな広間のようなところで親戚一同が介して食事をしていた地域の人たちが、6畳に満たないひと間の部屋で暮らすのは辛いだろう。キッチンにはシンクとコンロがあるが、野菜を切ったりするスペースがないので、料理が大変だとも言っていた。訳があるにせよ、何よりもその狭さが胸に刺さって抜けない。
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門前町では、更地が増えた商店街に交流や仕事の場としてコインランドリーを建設する計画があるとのこと。クラファンが行われているので、ぜひ。
20日。
昼間にオンラインで打ち合わせ。門前町で被害を受け、解体する以外になかった文化財の木をつかって、ギターを作ることになった。立派な梁が何本も残っているが、再利用の目処が立っておらず、何かに使ってほしいとのことだった。その木を使ってギターを作り、門前の木がいろいろな街を巡るのはどうかという話になった。制作費は自分で支払うことにした。地元の方々が喜んでくれたら嬉しい。
21日。
静岡へ。揚げ屋という作業によって吊り上がりきった土蔵を見学。多くの人たちの支援と協力によって成し得たことだけれど、なんだか誇らしい気分にもなる。そのまま、隣接するコミュニティスペースの打ち合わせをして、全体の工費の新しい見積もりの説明を受ける。想定外の費用というのはどんなことにでもあるが、スタジオというのは、普通の建築とは違ったところにお金がかかる。しかし、例えば100万円の設備費用をケチって、窓がないような窮屈な部屋を作ってしまった場合、そのケチさの影響を受けるのは未来のミュージシャンだと思う。100年後にパスするスタジオだと考えれば、100万円も年間1万円。そんな長期でお金を貸してくれるところはないが、年間1万円だけ何かを頑張ればクリアできる金額でもある。考え方が正しいかは分からないが、そういう建物だと思うと案外、気持ちを強く持てる。
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22日。
昨夜、おでん屋ばかりが立ち並ぶ横丁に寄ってからの記憶が判然とせず、頭がやたらと重い。久々の二日酔い。朝までやらかした若い頃に比べれば、その度合いは低いけれども、代わりに代謝が鈍っている。身体と精神に喝を入れながら、静岡駅へ。切符を買った新幹線が妙に混んでいると思ったら、ディズニー仕様にラッピングされたファンシーなN700系だった。申し訳ない気持ちで新横浜まで向かった。
23日。
散歩。ふらふらと歩いて野池に行くと、以前は鴨のような野鳥が溜まっていたゾーンがすっかり川鵜の憩いの場になっており、岸壁が川鵜特有の糞で真っ白に染まっていた。近く、野鳥の会のような人たちが、鳥の生態について解説してくれるような催しがあるらしい。そういう掲示があったので、どうして川鵜の糞があのように白濁としていて、ときに中洲を骸骨の森のようにしてしまうのかを尋ねてみたい。
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