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ドサクサ日記 2/10-26 2025

10日。
朝から採血。痛風ではないが血中の尿酸値が高い。ということで、どうやら痛風予備軍であるらしい。とりあえず「フェブ基礎スタット」という薬を処方されて飲んでいる。「基礎」の部分はMac OSによる変換ミスなのだけれど、修正するのも面倒くさいのでそのままにしておく。人体の基礎、みたいなものに作用する薬なのだと思う。「Feb木曽stat」とも変換された。この場合、statは統計の略語だろう。

11日。
ウミネコカレー10周年のライブ。久々のソロのバンドセットはとても楽しかった。「恋する乙女」の途中でブリッジの歌の入りを間違えたが、それは俺が原因ではなく、バンドメンバーたちであるとここに記したい。特に恨みはない。イベント全体が古里君や彼のバンド「風呂敷」由来の、なんとも柔らかい空気で満たされていて素敵だった。スパイスカレーというのは、味覚に対して複雑な鋭角の組み合わせで呼びかけるような食べ物だと思う。しかし、古里君のカレーはそのスパイスたちがなんとも不思議な、それこそ新しいアルバム「えん」のジャケットのような、不思議な丸みを帯びている。古里君は丸っこいかというとそうではなく、骨組の骨岸無造的な身体というか、修行僧のように痩せ細っており、凝り性を極めた職人のような気質でもあるのだけれど、音楽もカレーも鋭角のまま丸くてあたたかい。

とてもいい夜だった。佐内さんや又吉さんとは初対面で、ゆっくり話せてよかった。又吉さんの連絡先を聞くのを遠慮したんだけど、やっぱり聞いておけばよかったと後悔している。話したいことがたくさん残っている。ヤマジさんのギターはマジで最高で、国宝だと思う。撮影は山川哲矢。

12日。
ケイタイモさんのGONZUIに寄ってから、スタジオでクラファンのリターンのアンビエントと弾き語り音源のミックス。どちらもいい感じに仕上がったと思う。その後は、エンジニアや若手のバンドといろいろな話をした。所謂オジサンである俺たちが、将来の世代に手渡せるものは何だろうかとよく考える。ともすれば偉そうに知識をひけらかしてしまいそうになるが、30年も遡れば、俺はポケベルさえも持っておらず、ポケベルが鳴らなくて…どころか、家の電話の加入権ですら自腹では買えなかった。というギャグ的な歌謡曲からの引用も、現在を生きる若者にとってはGG(ジェネーションギャップ)のど真ん中はおろか、意味不明の何かで、何らかの知識もそうやって時代の藻屑と化す可能性が高い。だからこそ、残すのは「場」とか環境みたいなもので良いと思う。それを社会にまで拡大できたら尚良し。

13日。
風が強くて高速から眺めた横浜の街が真っ黄色だった。黄砂か花粉か砂埃かはわからないが、家に帰ってから目が痒くならないか心配になった。帰りにシュウマイ弁当が食べたくなって売店で買ったところ。販売員の女性の方が「たくさん食べてねー」と声をかけてくださった。倍くらい食べたい気持ちはあるが、買った弁当の量は弁当箱の分量しかなく、大盛りにはならない。どういう意味なのか考え込んだ。

14日。
最近に録音を手伝ったバンドのエディットを朝から晩まで。時間がないので、ほぼ録り逃げのようなかたちにしてもらって、こうして後日にテイクのセレクトをみっちり行なっている。歌の録音をぞんざいに扱って、1日2日で録り切ろうという人たちがあるが、木仏に魂を吹き込むような作業なので、じっくりやるべきだと思う。

15日。
若者と一緒に作業。遠隔で別の若者も作業しているとのことで、みんな頑張ろうぜという気持ちでエンジニア業務に勤しむ。ふわふわとしているアイデアの落とし所がきっちり決まったときには感動するが、エモーションがアイデアを突き破って別の場所まで連れていってくれたときも、同じくらい嬉しい。音楽はいいなと思う。

16日。
引き続き若者と作業。作業すべきことが積み上がっていて、昼飯を食べる余裕がないので、朝から白菜と豚肉を炒めてオイスターソースと水を入れ、中華旨煮風にした。大事なのはとろみなのだけれど、片栗粉というのは存外に販売量が多く、うっかり買うとほとんど余って困る。刺身についている山葵程度に小分けにして売ってくれないかと思うが、馬鈴薯から採った澱粉を小分けにしても、包装代のほうが高いということになってしまうだろう。そうした悩みを解決してくれたのは、「とろみちゃん」だった。こういう商品の名前はどう考えているのか、大人たちが真剣に会議を開き「とろみちゃんにしましょう!」と議決しているのか、とても気になっていたが、公式サイトにはとろみちゃんが作られる経緯が漫画で載っており、物語の冒頭で太田さんという方が、ホワイトボードをぶっ叩いていて面白かった。


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Masafumi Gotoh
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