個人情報慎重に!

2014/12/6 記
 昨日、東京拘置所のカラオケ大会の話をしたけど、図書係だと懲役の名前がわかってしまうってことの意味わかったかな。
 実は差し入れする人は用紙に相手名前、そして自分の名前と住所、電話番号他、続柄まで記入するんだけど、差し入れの物品にはその用紙そのものが付いてくる。差し入れられた物品をX線にかけたり、許可証を書く際にもこれを見て書くので自然と名前は頭に入ってくる。
 俺が悪い奴なら色々控えを取って後で悪用することも簡単だったと思う。
 有名人のいる階の掃夫なんかは出所すると中の様子を週刊誌に売り込んだりしていた。
 当時はロス疑惑の三浦や、オウムの関係が多かったけど、俺たちは誰が出所しているかわかっているので、ああ、あいつが売り込んだんだなあってわかる。
 一体いくらもらってんだろ何で話になるわけだ。
 それに東京拘置所もそうだが、その後の甲府に勤めてる時も、日用品の購入の際、指印するときの用紙を見ると領置金の残高が出ていたせいで、誰がいくら持ってるのかわかってしまった。
 再犯刑務所では所持金の額がその人の人格。みたいなところがあって、変なやつでも金さえ持ってれば一目置かれたし、逆に金のないやつは何を言おうが軽く見られていたね。
 でも、今はそういうことはないようだ。残高なんかでないし、刑務所側も個人情報の漏洩には慎重になってきたということなんだろうね。
 それだけ当時はいい加減だった。
 甲府に勤めて一年くらいした頃だったかなぁ。
 日用品買ってもないのに残高が違ってる気がしてた頃、偉いのが来て

「称呼番号が407から変わるから、ほれ、この中から好きなのを選べ」

って言うんだよ。何もわからないからとりあえず、語呂のいい567なんてのを選択。
気になったので理由を聞くと407は2人いたんだって。こんなのあり得るの?
 とにかく変わったことが俺の身の上にはよく起きる。
 もしかして、何も注文してないのに歯磨き粉に試飲したのは…
日用品の入出金を確認してくれと頼むと、これはできないって。
そうだろうね。
個人情報分人にも教えないってのか。いまだったらそれはできないぜ。

それにしても大した額じゃないけれど、知らない奴に歯磨き粉奢ったのは納得いかないな。

 PS
歯磨き粉ひとつでも、いまだに納得いかない。

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