義理と人情の人
2015(平成27年) 6月22日 記
マサが面会に来た。
『お袋サンの見舞いにこれから行って来る。どら焼き好きだっていうから買って来た。』
「ああ。悪いネ。お袋の見舞いの金と、マサにも少しで悪いが宅下げの用意してあるから受け取っといてくれよ。」
『これから使うんだろうから気にしなくていいけど、まあ、ありがと。 肩の手術の経過は良いらしいけど、立会人。
上田さんが来て全て面倒みてくれたらいいよ。
あのヤロウって怒って帰りに寄るって言ってたらしいけど来た?』
「いや来てない。俺、パクられてすぐヒデサンには手紙出しといたんだ。お袋の事だけ何かあったらお願いしますって。」
『返事来てるの?』
「いや、来てない。怒ってんのサ。今回こそは」『でもお袋サンの事ちゃんとやってくれたんでナ。やっぱいい人だネ。あの人。おっかねェけどサ。』
「お礼の手紙出しとくよ」
『面会来たら大変だぞ。どうすんの』
「いや。絶対来ない。そーいう人だ。あの人のがんこ者さは世界チャンピオンレベルだ。」
『そりゃあ俺にも判る。』
「会うのは出所して顔出しに行った時だな。」
『行くの』
「あたりめーだろ。多分あの人は俺がこの先懲役行ってる間もお袋の事ちゃんとやってくれる人だ。行かなきゃ人間のクズになる。」
「同感」
PS
前にも描いたっけかな。
この大ポン中だったヒデさんのことを随分絵日記のネタにしてるからなぁ。
でもね、今がしっかりしてるからあの頃のこと笑い話にできるんだよね
おれもいつか笑い話に帰るつもりでいたが人生はいつのまにかゴール前だ。