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それがルールなら従おう
2014,5,8
偉い幹部が工場まわってくると、オヤジはどんな遠くからでもありったけの大声を出して敬礼し、駆け足で目の前まで行き、
「第六工場、総員35名現在35名異常有りません」と、直立不動で報告。幹部が工場内を見て回る間、まるでSPのように傍らを離れずついて回る。
これはどの刑務所にもある当たり前の風景。
しかし4月に、人事の移動で上の人間が変わると、刑務所内のルールが突然変わった。これには懲役どころかオヤジ連中まで戸惑う。
まず、幹部が来たとき、作業指導や、交談中の者、運搬中の者もすべて中断して自分の役席に戻り、下を向いて黙想。
トイレに並んでいた者は、その場で近い壁に向いて立ち首を垂れる。
幹部が出て行ったらそれぞれ持ち場に帰って作業開始。
要は、偉いのが来てんだから全員静まれって事だ。
食事中のテレビの視聴も禁止。
新聞も休憩中の閲覧は不可になり運動時間のみ許可。
これで運動時間にみっちり運動する人間は新聞が見れないことになった。
こんな具合に、何かにつけて厳しくしくなっても緩和されるものはない。
もともと良かったものが禁止になると皆、非常に面白くない。
しかし、刑務所によってルールは違うから、厳しくなったといっても府中あたりじゃ当たり前。
今までが楽だったのだ。現に府中経験者は慣れてるから何も不自由は感じない。
皆、条件は同じだ。決められたルールなら守るしかない。
と、この考えが20年前にできていたなら、人生は大きく変わっていたに違いない。
ルールを守る。そんな簡単なことができなかったんだね。
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そのルールの方がおかしい!
なんで言ってたもんなぁ。