身検と勾留質問って?
2015(平成27年) 5月13日 記
一夜明けて目覚めると、留置場の鉄格子が目に入る。だから慌てて目を閉じるんだナ。
そして恐る恐るもう一度目を開けたとき、昨日の朝と同じ自分の部屋の風景が目に飛び込んで来てくれるよう願う。
パクられた事は、夢であってくれって本気で願うんだ。
でも再び目を開けたとき、いつだってそこに有るのは絶望感だ。この時の胸の苦い思いがなんたって一番辛い。
馬鹿だろ?こんな嫌な体験を、もう何回も繰り返しているんだ。本当に進歩のない人間だよ。
逮捕されてから48時間以内の取り調べが終わると、執った調書と共に検察庁に居る検事に会いに行く。
検事は調書を元に俺と話をして、今後引き続き俺の事を取り調べたいので拘留の許可を下さいと裁判官に申し出る書類を作る。
これが俗に言う身検ってやつかな。
たった20~30分の質問をされるために、朝、各警察署を回って迎えに来る護送車に手錠、ロープでつながって乗せられ、きゅうくつなバスにゆられながら地検まで1~2時間。 そして同行室の固いイスに一日座って自分の呼ばれるのをひたすら待つ。
昼はコッペパン2コと牛乳で4~5時になってやっと帰る準備だ。
これが大変辛い作業なのだ。
いつもそうだ。連行されるとき、手錠腰縄でつながって歩く自分が情けなくて涙が出そうになる。
2015(平成27年) 5月14日 記
昨日一日中、地検の同行室で待つという地獄の苦しみを味わって一夜明けた今日、またしても行かなくちゃならない。
今日は地検の同行室へ行ったあと、再び護送のバスに乗って隣の裁判所へ行く。そこで裁判官に会って、昨日検事のところで執った調書に間違いはないですネ・・・ってことになり、ハイと答えた時点でそれではあなたを今日から10日間拘留します・・・となる。
これが勾留質問と呼ばれるもだ。明日から10日間、警察署での取り調べが始まる。場合によってはもう10日間、この拘留を増やされて、起訴するかどうかが決まる。不起訴となって釈放されることを”20日パイ”なんて言ったりするけど、そんなの俺には有り得ない。起訴されて間違いなく裁判となるわけだ。
裁判となれば5回目の俺は間違いなく実刑だから、このあと必ず刑務所へ行く。
裁判ではその年数が決まるだけだ。
これから俺はこの年数をいかに安くするかに全力を傾けなくてはならない。今からもう作戦を立てて実行して行かないと、あとで後悔することになる。パクられたことにいつまでも落ち込んではいられないのだ。しかし、しかしだ。この3日間、いくら考えたって俺がパクられる要因は思いあたらない。もしかして・・・もしかして福祉の関係なのか?いや、そんなバカな。