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食器イチ、バッカンサンって?

2015(平成27年) 7月2日 記


『食器イチ、バッカンサン』東京拘置所に入った人間なら誰でも知ってる言葉。
 配食の時間になると掃夫が掛ける号令さ。おわんを一個と大きな容器を3つ用意しろって意味だ。雑居ではこのバッカンと呼ばれる大きい容器に汁物だおかずだをまとめて入れてもらって受け取り、舎房の中で分ける。おわんには漬物などが入る。なんでバッカンなんて呼ばれるようになったかなんて俺が知ってるわけないよ。俺が知りたいくらいだ。でも19年前にも確かにそう呼ばれていたね。
 舎房の中で分けたりしなけりゃならないから、受け取ってすぐ食べるというわけにはいかない。皆それぞれ役割分担して準備する。食事が終れば食器類は洗わなくちゃ。これがたいへん面倒臭い。東拘や府中は自分たちで食器を洗った。でも甲府や月形は洗わず出せばよかった。この違いは生活する上で俺にとってはとても重要な部分なのだ。ああ、食器を自分で洗う刑務所へは行きたくない。
 それにしてもサ、メシ食うたびに聞こえて来るこの『配食~、食器イチ~、バッカンサン~。』って号令。もう、うんざりだよ。(ちなみに食器はナシもあればバッカンイチ、ニもあるよ)

PS
毎日ちゃんと記事を公開しようと決めたのにできない。
気分の乗らない時もあるさ。
記事がおろそかになってる時は、

ああ、何かあって落ち込んでんな、と思って下さいな。

昨日、預かってもらっていた荷物を全て引き上げた。そして今日お袋の遺品を整理。まずは写真だ。
俺のも随分出てきたぞ。当分はこの扉の写真に苦労しないですみそうだ

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