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そこにある真実

2015(平成27年) 6月21日 記


 警察の調べが全然掘り下げて来ないこと。
 検事の調べも簡単に終わってしまったこと。
 先生に言ったんだ。これは俺が出所して、お袋の面倒看ながら、薬を止めるためにクリニックに通ってるうえでの不運な逮捕となったことを認めて考慮してくれてるんですかネって。
 そしたら、事件は事件で俺が薬をやってパクられてる事には変わりないのだから、それは考えない方が良いらしい。
 でももしそれが本当なら、クリニックを信じて通ってた俺はバカを見た事になる。
 その辺はとりあえず公判で主張して欲しいところだと先生にも重々頼んだ。
 でも、はっきりしたことは判らない。
 逮捕に至る経緯を100%福祉やクリニックと決めてかかって、違いますよ、あなたは・・・と別の話で逆襲食ったら大惨事だ。
 99%は確信できても残り1%が重い。すると先生は、教えてくれたよ。
 公判で証拠として開示する書類の中で検事に同意を得られないものは提出できない。
 それは検事が弁護士に対しても同じだ。"こういう物を証拠として主張しますが良いですか"というのに同意が必要なわけだ。
 先生はすでにクリニックと福祉が逮捕の経緯だという事を検事側に提出していた。
 先生は何も答えてはくれなかったけれど、そこには同意とある。
99%が100%に変わった瞬間だ。そんなことって・・・俺にとってひっかかってた1%っていうのは、人間の心の部分だったんだぜ。

PS
納得いかない刑務所いきに、コンディションはガタガタだったっけ。
 何を信じていいかわからなくなった瞬間だな。
今となっては笑い話だ。
 人生の一部を棒に振って笑えるんだから幸せな男だ俺は。
 ほんとのバカだな。

(写真)
保護会に突然警察がやってきて、お爺さんが連れて行かれた。
 似顔絵描いてやったら部屋に飾ってくれてた優しい人だったが、もう帰ってこない。
 あの年からまた懲役なるのはつらいだろう。
 世話になったからね。仕事が終わったので、いま、毎日面会に行ってるよ。

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