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アミノプロパン入ってました(他2本)

2015(平成27年) 5月26日 記


 今日も上に上がって取り調べだ。科捜研に送った尿から、フェニルメチルアミノプロパンだかアンフェタミンだかはたまたメタンフェタミンが検出されたとさ。
 もうそんな事は俺にはどうだっていいことだ。
 刑事の取り調べ。
 ここまで進んだらたいがい俺の名前が誰から出て、どういう経路を辿って警察が俺のところに来たのかわかるもの。
 ところが今回、なぜかわからず、警察も教えられないようだから、
 そこから俺の覚せい剤関係者を切り崩してゆけない。
 せっかく覚せい剤でも、特例法だ営利だとかの犯歴を持った人間を逮捕したのだから、ひとりでも関係者を聞き出しては次の逮捕の足がかりにしたいはずなのだ。
 しかし一切聞いて来ない。
どこにも関わってないのを知っているのだ。
 俺は使った薬は前回の家宅捜査で見逃し、家に残ってたものを使用したと言った。
 もしも他から覚せい剤を仕入れていたり、誰かに渡したりしたというのを掴んでいたら、強く追及して来るはずだし、そこで唄われた経緯もわかるというもの。
 しかし、そんなことしてないのだから追及できるわけがないのだ。
 渋々ガサモレだったと受け入れるのがイヤなのかその辺の調書を取らない。
 なあ、取らないんだぜ、取り調べでは一番大事なところだろ。
 どうして俺が薬を持っていたのか。まあ大事なところだから、今日はとりあえず尿検の結果にサインだけして後日重点的に調べが始まるのだろうネ。と思っていたんだ。


不思議な結末

2015(平成17年)5月27日 記

 本日またしても押送。検事調べだ。さすがに今日は調書を巻いたよ。
 本来敵である検事がなぜか俺が4ヶ月間、シャバでの生活をどれほどマジメにやっていたかを切々と語ればそのままをキーボードにたたき、『そこは違う』といった反応はただのひとつも無く、まるで俺の味方のような調書が完成した。
 有り得ない。
 使用したシャブの出所は"私が隠し持っていた"のひと言で済まされている。
 おかしくないか。
 どうやって入手したものなのか追及してしかるべきだろ?
 すべてが終わると検事がいう。

『さあ、どうやって薬と手を切ろうか』

「もう疑いを持たず全てをまかせるつもりでもう一度クリニックなり、自助グループの手助けを受けますよ」

『引っ越しすることも大事やで。仲間がいかんのや』

「考えていますよ、それも」

『どうしてガサもれの品物とっておいたんよ』

やはりガサもれの品と、納得はしてるのに調書には出さなかった。
 これ警察側の落ち度とするので出したくないのかネ。

「全く無いと焦ったりするけどいつでも手の届くとこに有れば気分が楽でかえって手を出さないでいるかなって」

『そりゃあちゃうよー。オールorナッシングやで』

「はあ?」

『捨てなあかんよー』

 それで終わりだ。

「検事さん、まだここに呼ばれるようですか」

と聞くと、

『調べる予定はもうないよ一応起訴はギリギリでネ』

って。調べは終わっちまった。こんなのって、本当あやしい感じがするよ。

ハッタリにご注意

2015(平成27年5月28日)記

 今日は刑事の取調べに出された。『もう調べる事ないでしょ。』と聞いたって、そんなことないよ。検事に言われてるからって。
 昨日、検事が俺に調べは終わったと言ってるのを知らないようだ。
 取調べ室に行くと、いかにもパソコン開いて取調べの雰囲気出してるけど、そんなことやらねぇの俺は判ってるんだ。
 問題は、俺の使用した覚せい剤の出所だよ。これから調書を執るというが、これまでそのあたりには触れてないので非常に不思議に思っていたんだ。
 しかし検事の調べは終わってしまっている。さて・・・。
 刑事は言ったよ。『ブツの件ね』「ああ、これまでそこんとこやってないもんネ。」
『でしょ。検事にそこらへん詳しくやれって言われてるから今日、調書執るからネ』・・・うそだ。
 でもまあこれが薬物事犯取調べのセオリーだ。
 口を割りたくない場合ほとんどの奴がイラン人から買ったとか、横浜の立ちんぼ売人から買ったとか言う。
 ガサモレってのもそんなうちのひとつに受け取られても仕方ない。

『ねェ。こっちもプロだからちゃんと証拠押さえてるよ。その上でサ、本人の口から聞きたいわけだよ。その方が検事だって反省してるって受け取るでしょ。こっちが材料見せて言いわけできなくなってからってんじゃ裁判不利になるよ。これ、自分のためだよ。』

 色々なこと言って来るけどこのしつこさとハッタリにはやられちゃう奴がほとんどサ。
 もうこれだけの数逮捕されてりゃ俺には何言って来るか判るものネ。
 ハッタリに御注意。通用しませんよ。

PS
警察官は嘘を言わないと言うのは全くの誤りだ。
俺はよく知ってる。
(写真)
釧路はパークゴルフなんてのがあって、きちんとした芝のコースがいくつもあって無料だ。
毎日年寄りで賑わっている。
 そのほかに野球はもちろんのことラグビーやサッカーのコートもたくさんあるが全て芝が整備されてる。
こんなとこで試合や練習が出来るなんて幸せだな。
広大な北海道ならではの利点か、都会育ちの俺には信じられない恵まれたところだ。
 住むには最高のところかもしれない。なのに人口は減る一方らしいよ。ああ、悲しき釧路。

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