15分が限界でした
2014 4.27
昨日に引き続き、懲罰の話をしようか。
今でこそ俺は、工場でつなぎを着て、安全靴をはいて、マスクをする。
なんて格好で作業してるけど、
昔は俺は汗かく仕事なんて馬鹿らしくてできるか!という考えで務めていたね。
今は、どんな作業でも頑張ってやろう。
なんて前向きに考えるけど、当時は無理だったんだ。
つまらないプライドが、額に汗して、油とホコリにまみれた作業をするのを、情けない事だと思い込んでいたんだな。
懲罰が明けて、俺が配属されたのは金属工場だった。
夏の暑い日だった。
半袖、半ズボンにサンダルで作業する工場もあるのに、そこは長袖のつなぎ着用。そのうえ、ヘルメットに安全靴。保護メガネにマスク、そして手甲、足甲までつけると、まるでサウナにいるようだ。
新米は10人前後で、家の玄関に取り付けられる鉄扉のバリ取りを、棒やすりで一心不乱にやらされる。
他の工場との作業の違いに不満を持ちながら、渋々やすりをかけていれば、10分程で水中メガネのような保護メガネの中には、汗が水槽のように溜まり出す。
もう限界だ。俺はメットと保護メガネを外し、マスクをとって大きく深呼吸してからオヤジに言った。
「もうダメ。やめた」って。
オヤジは眉毛を八の字にして「何言ってんだ 皆 頑張ってんだぞ」
と言ってるが、
「俺は安全靴とかツナギ着てやる作業はできないんだよ」って
何だか訳のわからない理由で作業拒否した。
今思うと、懲役来てる立場で本当根性ない事言ってたな、と恥ずかしくなるがその時はわからなかった。
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俺ってわがままなやつだったんだなあ。