携帯電話を探せ
2014/12/19 記
懲役最後の集会。
本日はファンタオレンジ、食べっこ動物、リッツのチーズサンド。
新聞に出てたぞ。
小学校に刃物を持って乱入し、逮捕後も取り調べでは意味不明のことを言い続けているとかいう奴のことが。
この原因が危険ドラッグで、死者が出ていたりしたら、昔の通り魔殺人のように、大変な騒ぎになる場面だ。
完全にイカれた奴が近くにいたらそりゃあ怖いよ。何されるかわからないんだから。
小金井署に留置されていた時、シャブでイカれた奴がいた。
一見、普通に見えるそいつの言うことには、自分の腹の中に携帯電話が入っていて、時折それが鳴り出すと言うのだ。
普通に見える奴が真剣にそんなこと言ってるから、なおのこと怖い。
こういうやつに、
「そんなはずないでしよ」
と、理屈を説明したって絶対納得しない。本人はそう思い込んで疑わないのだから、無理に否定すれば怒りの矛先がこっちへ向かってくるのは必至だ。
そういう時、俺は早く病院にでも行っていなくなって欲しいから同調することにしている。
「本当だ!こりゃあ大変だ!担当さーん!こいつの腹の中で携帯電話が鳴ってるよぉ!」
担当がやってきて、
やめてくれ、そっとしといてくれ
と、目で訴えているが関係ねぇ。
同じ部屋に入ってる俺たちの身にもなってみろってんだ。
「だって腹の中に携帯が入ってんだぜ!一体どうやって入っちまったんだよ、苦しくて仕方ないよなぁ!」
と、本人に振ると、
「いや、痛みはない」
と、至って冷静。なんだこの野郎、ノリが悪い。
担当も、
「なっ、だから大人しく…」
「何言ってんだよ!聞こえねーのかよこの音!トゥルルル、トゥルルルって。なあ!」
すると本人、
「いや、ブーン、ブーンって音がしてる」
なんだこの野郎!マナーモードか!
担当も少し苦笑い。ちくしょう。
「そうだよ!ブーン、ブーンだよ。バイブもかかってるんだよな、腹に響くよなぁ!」
「いや、振動はしてない」
この野郎、こっちが切れそうだ。
「とにかく大変だよ。早く病院に連れてってくれー」
「なぁ、ゴトーさん、大騒ぎしてんのはあなただけだから。
今手配してるんで、あんまし大袈裟にしないでくれよ。頼むから」
って担当。
まもなくそいつは精神科の病院に連れて行かれたけど、俺も一緒に連れていかれそうな勢だったよ(笑)。
危険ドラッグでもこういう輩が現れるようになったら、ヤバい時代がやってくるかもな。
PS
ノリの悪いやつは今でも嫌いだ。