このことが無かったら五足のくつはできなかったに違いない その16.
その16.『浦安のラーメン屋』
とにかくもう一度、足元を見直す必要があった。
金融機関を説得するだけの実績をつくること。
だれも考えたことがないような旅館のプランを創ること。
最初の事業計画書を実現することができなかった私が
その時点でできることといえば、 浦安でのラーメン屋の出店だった。
事業計画書のプランをつくるに際して、
協力していただいた建築家のSさんが紹介してくれたものである。
ある関西のアパレルメーカーが出店していたが振るわず、
新たな運営先をさがしていたのである。
東京ディズニーランドの近くのJR新浦安駅に直結した
モナというショッピングモールの4階のレストランフロアに、
「辰巳」というラーメン屋があった。
居抜きで、調理器具、器などそのまま使えるということと、
ラーメンのレシピについては指導する、という条件であった。
それは、喜多方ラーメンだった。
出汁も麺も、また見た目も申し分なかった。
九州人の私などからすると、
日本料理の一部門のような色気のあるラーメンだな、と思った。
私は、この話に乗った。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?