ストレート気味にしかける掌打 手のつけ根を顔面に深くねじ込ませる

以前、拳を用いた打撃の危険性について説明してきました。

頭の骨は、拳の骨を折るほど頑丈な部位なのです。

確かに、相手にダメージを与えるには一番最適なところです。

しかし、重傷や致死にいたりかねない危険性を秘めています。

これは、完全なる過剰防衛です。

では、顔面を攻撃せざるを得ないほど追い込まれているときに、肘打ちより長い間合いからくりだせる技はあるのでしょうか?

その答えは、掌打による打撃でしょう。

厳密にはパーにした手のつけ根の掌底部分を相手の急所に叩き込む打撃法です。

また、普通、拳打は直線距離から放ちますが、掌打の場合、腕を上から下へ、ムチのように叩きつけるような打ち方をします。

接触部位にインパクトを与え、掌底部分をねじり込ませるのです。

押すのではなく、拳打のようにへこませてから、すぐに腕を引き、戻します。

素早く引っ込めないと、相手からの反撃に遭いかねないからです。

掌打が狙う部位は、ストレート方向の場合、主に鼻の部分です。

鼻の骨は弱く、唇の上の部分の骨も薄いです。

また、フック方向に横から掌打を放つ場合、相手のアゴやコメカミを狙います。

アゴに強打を与えることで、脳が揺れ、失神するほどのダメージになってしまうのです。

さらに、コメカミは脳に近く、骨が比較的薄い部分です。

眉毛の外側の骨の薄い部位が、コメカミという急所です。

ただ、護身術では、過剰防衛になる危険性があるので、こっちが生死の危険に遭うほど追い込まれたとき以外、上記の部位に当てるべきではありません。

掌打は、拳による打撃に比べて、多少リーチが短くなります。

人体の柔らかい部分は拳で殴り、硬い部分は掌打で内部からインパクトを伝える戦い方がベストです。

画像1

上の図は、攻撃をしかけようと前進してきた相手にカウンターの掌打を当てた場面です。

掌打を打つときは、図の右腕を上から下へ叩きつけるかのように、相手の鼻へと当てていきます。

力の伝導は、両足の全身の勢いを腰で加速させて、最終的にムチとなる右腕に動力を伝えていきます。

鼻に当たったときは、右腕の掌底部分を左方向にねじり込みます。

これにより、相手の鼻へと衝撃がモロに伝わるでしょう。

鼻血が出ることも想定されるので、運悪く感染症の人間が相手なら、頭部への攻撃は注意を向けるべきです。

特に、歯の部分を、グローブなどで保護しない手で攻撃すると、皮膚が切れてしまう可能性があります。

そのとき、相手の体液が傷口に入ると、思わぬ病気にかかってしまうことだってあります。

悶絶した相手を確認したら、すかさずその場から退散しましょう。

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坂口正吾
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