バックからの肘打ち もたれかけの勢いを利用した強打 やむを得ない打撃技

前回、相手に後ろからつかみかかられたときにだしたときの対応として、足の踏みつけを解説しました。

では、足の打撃以外に上半身はどのように対応していけばいいのでしょうか?

サイドからの裏拳を用いても、相手に打撃をあたえるまで時間がかかります。

関節を曲げているところが見え見えで、先に打撃をあびることになってしまうでしょう。

第一、間合いが全くない状態です。

この場合、やむを得ない選択となりますが、肘打ちが有効となります。

なぜ使わざるを得ないかというと、後方から相手につかまれた状態というのは、後頭部の急所を丸見えにさらしている場面なのです。

後頭部の急所は、頭蓋骨であまり守られていません。

後頭部での頭突きをバックからするやり方もありますが、もろい急所の頭部を近づけるため、あまりおすすめできません。

触れば、結構、柔らかい箇所だということが分かります。

大きな強打をくわえられれば、生死に関わる箇所なのです。

倒れ込んで、後頭部が壁にあたることで、死亡するケースは、思ったより多いと思います。

このような状態で手加減なんて、普通はできないでしょう。

従って、威力の大きい肘打ちを使うしかないのです。

図1

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上の図1は、暴行者が攻撃をしかけるべく、不意をついて、護身者の全身をつかみこんだ状況です。

間合いも完全に密着してしまい、攻撃する手段が限られてしまいます。

握力が強すぎて、中々、脱出するのが困難です。

図2

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上の図2は、バックからの肘打ちが相手の顔面に直撃した瞬間です。

まず、肘打ちを打つにあたり、前足である左足に重心を傾けていきます。

体重が左足にほとんど乗ったら、左足のつま先をオレンジ矢印方向に左回転させます。

そうすることで下半身を瞬間的にスピンさせるのです。

そして、その回転を、腰の青矢印の回転でさらに加速させます。

その後、赤矢印の方向へ上半身をもたれかけます。

最後に、左半身を緑矢印方向に沈め、右半身を緑矢印方向に上げて、右腕からの肘打ちを顔面にヒットさせます。

攻撃を放ったあとは、すぐに引いて回避準備を整えてください。

おそらく、肘打ちがうまく決まれば、相手は体を捕まえているところでは済まない状態になるでしょう。

相当な激痛と衝撃が、暴行者に起きてくるはずです。

鼻に当たれば、流血する可能性だってありえます。

拘束が解かれた瞬間を狙って、全速力で逃げだしましょう。

この肘打ちは、硬い骨を相手の顔面をぶつけるため、たいへん危険な技となります。

できれば、足の踏みつけをして、最小限の護身技ですませた方がいいでしょう。

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坂口正吾
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