捨て身のヘッドバット 最後の手段で用いる頭突き技 顔面を押しつぶす
以前、記事で紹介している護身術では、頭突き技は使用しないと述べていましたが、怪我や身体の拘束により四肢を封じられ、頭部以外うまく可動できない状況にある場合、例外として使用するしかありません。
今回は、そんなときに勢いをのせて放つことのできる頭突き技の打ち方を紹介していきます。
打撃部位は、拳以上に硬い頭蓋骨で守られた部分であるオデコを相手の顔面に当てていきます。
ただ、顔面に当てる以上、相手も大きな怪我を負いかねません。
なので、自己の生死に関わる状況でない限り、使用すべきではないでしょう。
それに、頭突きをすると、どうしても自分の頭に衝撃が伝わります。
人間の頭は非常にデリケートな部分です。
中の脳が頭突きの動きで揺れてしまうと、軽くクラッとした感覚に襲われます。
人間がノックアウトする主な原因は、脳の揺れだといわれています。
脳を激しく震わせれば、頑丈な骨を当ててひどい外傷を負わせるより、人を失神させやすいのです。
その点、ボクサーのグローブは、衝撃を脳へと余すことなく伝えるので理にかなっています。
頭突きの場合、放つならば、その立ちくらみに耐えなければなりません。
また、一番もろい頭を間合いに突き出す以上、かなりリスキーな打撃技です。
逆に、急所が密集している顔面を頑丈なオデコで押しつぶすという意味では、大きな効果を期待できる技でもあります。
それでも、できることならほかの技を使うべきです。
あくまでも、最後の手段として捨て身のヘッドバットを行使するべきでしょう。
今までの打撃技に比べて、使いどころに注意しなければなりません。
放つときも、もしオデコ以外の部分を強打してしまったら、逆に自分がダメージを受けることになります。
おでこの左右はテンプルといった急所がありますし、下は目や鼻があります。
相手だって、喧嘩慣れしていれば、わざと命中部位をずらしてくることだってあり得ます。
そのときは、同じようにずらすか、攻撃を中止しましょう。
図
では、上の図から具体的な打ち方を見ていきましょう。
ここでは、護身者が腰と手足を痛め、手で軽くつかむ余力しかなく、足を痛まないように少ししか動かせない状況だと想定しましょう。
相手は、護身者を痛めつけ、余裕で勝ち誇っています。
このままでは、ボコボコにされて生死に関わる状況です。
護身者は、その油断をついて、捨て身の頭突きを、暴行者の鼻周辺に決めていきます。
まず、図のような場面に入る前に、右足を軽く浮かして左足に体重を集中させます。
そして、素早く右腕で、相手の首や頭の後方をつかみます。
そこから、図の点線のように頭を後方に引きましょう。
その後、オレンジ矢印のように左足のつま先で、全身を前方に押し出し、赤矢印のように浮かした右足で着地の動作をとります。
その左足を支点にした釘打ちのモーメントのような勢いを利用し、最後に引いた頭を緑矢印の方向へ振り、相手の顔面にぶつけます。
そのとき、後方へつかんだ右腕を紫矢印方向へ引くことで、カウンターのような効果を生み出すことができます。
そのとき、後方の足側の半身から逆の半身の向きへと、腰を少し回転させることで頭突きの勢いが増します。
おおまかな打ち方は以上となります。
危ない技なので、くれぐれも使用に注意してください。
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