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浴場を改修中!ご理解、ご協力をお願いいたします。

御所坊の浴場の“白湯”・“上がり湯”と呼んでいる浴槽を改修中です。工事期間中は、洗い場部分と浴槽の間に仕切りを設けています為に手狭になっています。なぜ? 改修しなければいけないのか、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

白湯・上がり湯とは

有馬の温泉は上部マントルの成分を溶かし込み、高濃度で湧出します。
通常の温泉では「温泉成分を流さない為に、シャワーなどはお避け下さい。」というようなコメントが記載されていますが、有馬の温泉の塩分は海水の倍ほどあります。海水浴後シャワーを浴びずにいると、身体が痒くなった経験をされた方もあると思います。
その為に、昔から(いつからかは調べます)温泉の浴槽と併設して水を湧かした湯船を設けていました。

レジオネラ属菌対策

レジオネラ菌は、アメーバなどの原生生物に寄生しながら、土壌や河川、湖沼(淡水)などの自然界のどこにでも存在する常在菌です。

レジオネラ菌は約50種類が確認されており、それらを総称して「レジオネラ属菌」と呼ばれています。

菌が肺に入り、感染すると、レジオネラ肺炎やポンティアック熱といったレジオネラ症を発症します。最悪の場合は死に至るのですが、最近は一般肺炎とレジオネラ肺炎との見分けがつくようになり、すぐに治療が出来るようになり、死に至ることは少なくなったようです。

反面、DNA鑑定で菌が存在していた浴槽を特定できるようになってきています。また医者はレジオネラ肺炎だとわかったら保健所に届ける義務があります。

そうなると保健所から指導が入るのですが、この菌の厄介な所は定められたことを守っていても菌が発生します。
一番の菌の温床は循環回路の中。
循環回路の中に菌の製造プラントが構築されます。
最終的には、このプラントを潰さないとだめなのです。

・・・でも、潰しても、またプラントが構築されてしまいます。

このプラントは通常の殺菌では潰す事が出来ないのです。
相当大掛かりな洗浄を行わないとダメなので、お手上げです。

蒸風呂をつくろう!

浴場にある、白湯の浴槽を止めてしまおう!
・・・でも現実に存在している、浴槽を止めたら後をどうするか?

色々考えたのですが、極端な話、その浴槽を覆って、底に熱い温泉を入れて、スノコを敷いて“蒸風呂”にすれば良いやん!
と考えつきました。

どれぐらいの湯量を、どれだけ入れたらどうなるか!?
実験しかないと思って、実際に断熱材で浴槽を囲って、簡易的なものを作りました。そして保健所にも相談をかけました。
前例のない事だったので、色々指摘というか、条件を付けられましたが、すべてクリアーしました。

やってみたら、ぐわいが良い。

白湯を維持するにはボイラーと循環回路、ろ過機と殺菌装置が必要ですが、熱い源泉を注ぐと、ボイラーも不要、すべての機器が不要なのです。
そして、ある浴場はプロパンガスを使用して白湯の浴槽を維持していたのですが、プロパンガスの使用量が1/3~1/4に減ったのです。

SDGs的観点からも良い。

そこですべての浴場の白湯を蒸風呂に変えようと考えたのです。

温泉蒸風呂付浴場

御所泉源に隣接している貸切浴場「湯屋松風」の二つの浴場に蒸し風呂を設置しました。もちろん温泉の浴槽はあります。

湯屋 松風の浴場の1つ、蒸風呂内に江戸時代の有馬の風景をモザイクタイルで作りました。

次に、ホテル花小宿の浴槽を改修中です。
ここはバリアフリー化をもう少し推し進めるために、床を上げて段差を少なくし、障害のある人でも使いやすいようにしようとしています。
そして車いすの方でも車いすごと蒸風呂に入れるようにしようとしています。

御所坊の白湯も改修中です。
洗い場と白湯の間に簡易の壁を設けて、チェックアウトからチェックインの間の時間に工事を行っています。

女性風呂の仕切り

その為に洗い場が少し狭くなっています。
大変申し訳ないのですが、お客様方に安心で安全な温泉を楽しんで頂くための工事です。
ご理解とご協力をお願い申し上げます。



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